HOME > 事業を広げる > 地域資源活用チャンネル

地域資源活用チャンネル

ニュース

中国との交流事業、22府県が中止・延期−長期化で地方経済に打撃

 沖縄県・尖閣諸島の国有化をめぐり日中関係が悪化した影響で、全国47都道府県のうち、宮城、秋田など少なくとも22府県が中国との交流事業などを中止または延期したことが26日、時事通信社のまとめで分かった。成長著しい中国市場をターゲットに、多くの知事が観光客誘致や特産品の販路拡大、定期便開設を狙ってトップセールスを展開しており、関係悪化が長期化すれば、地方経済にも打撃を与えそうだ。

 調査は、47都道府県の国際担当課などに電話で聞いた。中止・延期されたのは、日中国交正常化40周年の記念事業、友好都市との交流行事、観光客誘致のPRイベントなど。いずれも8―10月に中国、日本で予定されていた。

 北海道、青森など25都道府県は「予定通り実施」または「交流事業はない」などと回答。ただ、今後の情勢次第で中止・延期が増える可能性もある。

 中止・延期の理由は「情報収集の結果、職員などの安全確保で不安がある」(愛知など)、「出展しても十分なPR効果が得られない」(熊本など)が多かった。

 22府県中20県では、中国側から尖閣諸島問題を念頭に「安全が保証できない」(徳島など)、「時期を改めたい」(沖縄)などと取りやめや延期を要請された。また、「急な公務が入った」など一方的に中止や延期を告げられた例もあった。

 東日本大震災の被災地の宮城では、10月から就航予定の中国東方航空の仙台―上海便について、「需要不足」を理由に同航空から県に当面見送る意向が伝えられた。

 政府は、被災地の復興支援を目的に7月から岩手、宮城、福島3県を訪問する中国人観光客に3年間有効の数次査証(ビザ)発行を認めた。上海便の就航見送りは「ビザを使っての観光客増を期待していた」(宮城県国際・経済交流課)だけに関係者のショックは大きい。

 鳥取でも、格安航空会社(LCC)春秋航空による上海―鳥取間の定期路線開設を視野に、9月にチャーター便を計10便運航する予定だったが、中止となった。

 香川の担当者は「外交問題と地方間の交流は基本的には別物。文化や経済の交流を閉ざすべきではない。早く事態の収拾を」と訴える。ある九州地方の上海事務所長は「この状態がいつまで続くのか。きちんとしたルートで早期に話し合いを持ってほしい」と政府の対応に苦言を呈した。


【2012年9月27日 日刊工業新聞社】