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アドテックスなど群馬の中小、高級シイタケ通年栽培−電気刺激で発芽2倍

 【前橋】アドテックス(群馬県高崎市、佐藤弘男社長、027-320-2800)など群馬県内の中小企業が協力して高級シイタケの栽培システムを開発する。菌床に高電圧の電気刺激を与え、温度などを自動で制御。高値で取引される「どんこ(冬茹)」と呼ぶ肉厚シイタケを通年で集中生産する。生産者や小売店とも協力する。システムは2013年中に実用化し、一大生産地を抱える群馬県の農業振興につなげる。

 システムはシイタケ栽培の妙義産業(群馬県富岡市)と防災設備工事業の関東防災工業(前橋市)と協力する。

 シイタケは数万ボルトの高電圧の刺激を与えると発芽率が約2倍に高まるという。関東防災製の電圧発生装置を用いるほか、センサーによって温度や湿度、照度、二酸化炭素、酸素量を制御。最適な発育環境を人工的に作り出す。

 13年にも試験栽培に乗り出し、「かみなりシイタケ」などの名称でブランド化する。どんこは冬から春にかけての一時期しか採れないため通常の2―4倍の高値がつく。国内のほか海外の富裕層に市場を広げて季節に左右されない収入源にする。

 併せて販売網を整備する。群馬県内や東京都内などで直売方式の「食の駅」や「地産マルシェ」を展開するファームドゥ(前橋市)の協力を得て商品を販売する。将来は日産35キログラムの装置を500万円ほどで商品化。県内のキノコ農家に拡販する。

 アドテックスの12年9月期売上高は前期比1・5倍の約9億円の見通し。半導体製造装置の温度制御機や近年は医療分野にも参入しており、今回の事業化を機に農業分野に裾野を広げる。

 シイタケは丸太に開けた穴に元になる菌を植え付ける原木栽培が主流だった。一方、最近は短期間の栽培で作業負担が少ないおがくずを使った菌床栽培に変更する農家が多い。農林水産省の統計によると10年の群馬県の生シイタケ生産量は4821トン。徳島、岩手、北海道に次ぎ4番目。


【2012年9月26日 日刊工業新聞社】