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関西リポート/滋賀県、“おいしが”キャンペーン奏功−県民照準、ブランド周知

 滋賀県が県産農畜水産物のブランド力強化を目的に2008年から始めた地産地消促進のキャンペーン「おいしが うれしが」の推進登録店が、8月末で1000店を超えた。農産品の“特色の少なさ”が目立っていた滋賀県が県内店舗や生産者を積極的に巻き込んで、県民を中心に訴求する。今夏は滋賀県内で食べ歩きができる野外イベントも開かれ、県産品も数多く並んでPRへの相乗効果もあった。認知度が浸透し、今後はイベントの仕掛け面で取り組みの質を高めた動きが求められそうだ。(大阪・林武志) 滋賀県産の農水産物で全国的にも有名なのが、近江牛やふなずしなど。ただ、野菜の収穫量は「下から数えた方が早い」(北浦裕之滋賀県農政水産部食のブランド推進課主査)という状況で、かぶなどの力を入れる野菜があるものの、こと滋賀県産野菜の全国的な知名度は総じて低い。

 そこで、まずは照準を県民に絞った農産品普及活動の強化を掲げたのが「おいしが うれしが」だ。県産品の積極推奨を狙い、消費者への直接販売を担う事業者はキャンペーン推進店、直接販売しない生産・流通・加工事業者はキャンペーンサポーターとして登録を呼びかける。県は15年度までに推進店800店を目標にしていたが、早々に達成した格好だ。

 店に訪れた客が滋賀県産品を買える目印になるステッカーを配り、のぼりに印字するデータも取得できる。このキャンペーン拡大策だと県側も店側にとっても費用負担が少ないのがメリット。販売機会も毎月第3日曜日と前日の土曜日に大津市公設地方卸売市場などで即売会を開いている。

 販売店に対して、補助金支給や、商品に“公式な認定”を与える訳でもない。あくまでも拡大運動としてのスタンスでの取り組みに、北浦主査も「県民に広く県産品を知ってもらう。このことがようやく浸透してきた」と手応えをつかむ。

 一方、滋賀県では12年、8月上旬の「滋賀B級グルメバトル」、下旬の「牛肉サミット」、9月末には「全国ご当地うどんサミット」と立て続けに野外イベントが開催される。イベントへの県の直接的な支援はないものの、出展ブースでキャンペーン推進店が各自で「おいしが うれしが」のロゴマークを掲出している。村上肇牛肉サミット実行委員会会長が「滋賀で10年続けることを目標にしている」と話すように、イベントが定着すれば県産品促進運動への効果も、より見込める。

 今後は県外への販促強化に打って出る考えだ。近江しゃもやビワマスなど重点素材として13品目を選定した。大阪、京都と一大消費地が近いが、関西で“選ばれる品”への競争は激しい。「一店舗当たりの扱い量を増やすという県内での取り組みとともに、マーケティング担当と連携した活動も増やしていきたい」(北浦主査)。県内、県外の両輪をフル回転させた成果が求められる段階に入っている。


【2012年9月20日 日刊工業新聞社】