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長崎県、地中熱利用してクエを陸上養殖するシステム開発へ

 【長崎】長崎県は地中熱を利用して、高級魚のクエを陸上で養殖するシステムを開発する。運転コストの低いエネルギーを活用することで既存熱源より安価なシステムに仕上げる。合わせて魚の尿中のアンモニアを電気分解で浄化するシステムを県内企業と開発する。省エネやコスト低減のメリットを生かした独自技術を確立して、県内業者の経営安定や企業誘致につなげる。

 開発を目指すのは水槽の海水を繰り返し使う閉鎖循環型システム。クエの成長を早めるために、一年を通じて温度が20度Cほどの地中熱を利用して海水を温める。地中にパイプを埋め海水を流し、温まった海水を水槽に戻す仕組み。導入コストの大きさが課題だが、既存熱源よりも運用コストの低減が見込めるため、トータルコスト削減を目指す。

 浄化装置は電気分解で次亜塩素酸を生成し、アンモニアと反応させて脱窒する。バクテリアによる生物濾過法は分解に時間がかかるため、水槽容量の25―30%の規模が必要だが、電気分解法では同5%で済む。また分解過程で有毒の亜硝酸が発生せず魚に影響が少ない。

 長崎県総合水産試験場(長崎市)に、容量30トンの水槽を設置、2013年度までの2カ年で実施する。

 県内にはヒラメ、トラフグなど25カ所の陸上養殖場があるが、多くが海から水を直接汲みあげるかけ流し型。場所が海の近くに限られ、水温調節も難しい。一方で、既存の閉鎖循環型施設は大規模で運用コストが高いほか、海水を頻繁に交換する必要もあるという。


【2012年5月9日 日刊工業新聞社】