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大商など実行委、大阪市中央卸売市場の朝市を観光拠点に−食育テーマで実証

 大阪商工会議所や大阪市、企業などで構成する「天下の台所 ざこばの朝市」プロジェクト実行委員会は、朝市を新たな観光資源にしようと実証実験を進めている。大阪市中央卸売市場(本場)に隣接する公園、野田南緑道を会場に、3―5月の毎月第4日曜日に開催している。本場を新たな観光拠点候補に設定し、今後の整備を検討するためだ。

 江戸時代に現在の大阪市西区で生まれた生魚市場を雑喉場(ざこば)と呼んだことから、命名された。3月の第1回朝市では食育パークをキーワードに、バーベキュー会場やせりの体験コーナーを設けた。朝市の出店は鮮魚や野菜など10数社で、うち3分の1が本場の業者。朝8時の開催にもかかわらず大阪府下を中心に2100人が来場した。「ほとんどPRをしなかったことを考えれば、予想以上の人出」(中野亮一大阪商工会議所地域振興部長)と評価する。

 実証は水都大阪の新たな観光拠点・調査検討委員会が、2月にまとめた報告書に沿った取り組み。西日本最大の卸売市場である本場など、水都大阪の象徴である中之島の西部エリアでの水辺の魅力を発掘し、新たな観光拠点になるように整備を検討する。まず朝市などイベントで認知や集客につなげ、にぎわい機運を高めようというものだ。

 3月の実証では朝市の需要の調査が狙い。来場者163人にアンケートしたところ「今後も訪れたい」と9割以上が回答した。4月は町歩きツアーを併催するなど周辺を含めたエリアの観光ポテンシャルを、5月は出店料など商業ベースでの運営の可能性を検証。まずは「これら結果を参考に今後の本格開催の実現性を探り」(同)、さらに本場を核にした観光拠点化へと進める計画。

 石川・輪島の朝市、東京・築地市場など集客力は大きい。同委員会では築地を参考に振興策を検討している。社会見学ツアーを比べると「実は築地市場より本場の方が多い」(同)という。2010年度は築地の約7000人に対し本場は1万3500人と約2倍。築地のにぎわいは「場内外での飲食店や物販店の集積の差」(同)が大きな理由と見ている。将来は社会見学以外にも観光客向け見学の実施、場内外での店舗集積など本場を核にした面での整備を推進し観光拠点化したい考えだ。

 大阪都心部の水辺では、遊歩道整備や川床「北浜テラス」設置などにぎわい創出の取り組みが盛んだ。が、本場などが立地する中之島西部での活用促進が課題となっていた。国際会議場や国立国際美術館、旧居留地、船着き場など西部エリアには観光資源が豊富で、活用しない手はない。本場内外での常設店など施設整備を進める上でも、まずは朝市のにぎわいに期待がかかる。


【2012年5月8日 日刊工業新聞社】