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「母の日」華やかに演出、カーネーション出荷ピーク

 5月13日の「母の日」を控えてカーネーション産地では出荷準備の真っ最中だ。東日本大震災で家族の絆が強まっており、需要の伸びに期待を寄せる。ただ原油高で生産コストが増加した一方、輸入の切り花の攻勢で販売価格は下落傾向にある。それだけに産地では品質面で差別化を図ろうと懸命だ。

 「原油高で2012年はハウスの暖房代が11年の1.5倍になった。生産に見切りをつけた農家もいた」。千葉県南房総市で花き栽培を手がけている精華園の岩田秀一代表はこう明かす。

 農林水産省の生産統計によると例年、カーネーション出荷本数は長野県が首位。この長野県でも「原油高で生産コストが上がったため、農家では満足に加温ができない状況が続いた。2重トンネルや被覆資材の見直しなどの工夫をした」(長野県農政部園芸畜産課の高田佳代子技師)と説明する。

 一方、南米のコロンビアから国産に比べて2―3割安のカーネーションが大量に流入しており、販売価格は下がっている。この生産コスト高と価格下落の板挟みを打破する解の一つが品質だ。岩田代表は「輸入の花では難しい色や開き具合などの面で対抗する」と気を引き締める。

 例えば愛知県農業総合試験場は新種のカーネーション「カーネ愛知6号」、戦略品種「ファーストラブ」を開発している。新種は淡い黄緑に紫の縁取りの花色、ファーストラブは白色とピンクで、園芸研究部花きグループの服部裕美主任は「ボリューム感が好評」としている。

 高田技師は「最近は赤色主体から、母親の好きな色やさまざまな色の花をアレンジしたり、小物で演出したりしてカラフルになっている」と分析。この傾向は今年も続きそう。色とりどりのカーネーションがお祝いを演出する。


【2012年5月4日 日刊工業新聞社】