HOME > 事業を広げる > 地域資源活用チャンネル

地域資源活用チャンネル

ニュース

「南部鉄器」中国で人気−水沢鋳物工業協組、職人を育成

 岩手県の伝統工芸品である「南部鉄器」が、中国の富裕層に人気だ。高級品を持つことがステータスになっており、高値で取引されている。国内では戦後、アルミニウム製品などに押され、嗜好(しこう)品として商いをしているのが実情。それだけに職人も減っているが、中国での思わぬ盛り上がりを受け、あらためて職人を育てようとする動きもある。

 「海外ではデザインが何よりも重視されている。知識よりも美的感覚に優れた人を採用したい」。水沢鋳物工業協同組合(岩手県奥州市、及川敬理事長、0197・24・1551)の後藤安彦事務局長はこう意気込む。

 中国人気は2010年の「上海万博」がきっかけ。海外受注高は年間数百万円にとどまっていたが、万博後は約10倍の同6000万円に跳ね上がっている。砂鉄を使った高級品は一個百数十万円の値が付くこともある。

 これを受け、同協同組合は職人の育成を決めた。臨時職員として3人を採用し、地元の工房で3年間、基礎をみっちりと仕込む計画。4年目から工房に弟子入りし、本格的な修業を積ませる。将来は独立して自分の工房を構えてもらう。

 5月の連休明けにホームページやハローワークで募集を始め、美術系大学、理系大学、専門学校などに案内する予定。後藤事務局長は「世界に羽ばたいて技と伝統を伝えてほしい」と期待を寄せる。


【2012年5月1日 日刊工業新聞社】