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農業白書/農業、新産業と融合−再生エネ・青年就農支援

 農林水産省がまとめた「2011年度食料・農業・農村白書」は、食料・農業・農村基本計画策定後2年間の達成度を検証するとともに、民主党の看板政策である「農業者戸別所得補償制度」「6次産業化」「再生可能エネルギー活用」「新規就農促進」などを盛り込んだ。「農村は高齢化が進んでおり、後継者も育っていない。地域活性化を進めるために必要な政策を盛り込んだ」。鹿野道彦農水相は24日の会見でこう強調。再生可能エネは農山漁村で新産業を創出する上でも重要だとしている。

 農山漁村は都市部に比べて太陽光や水力、風力、バイオマスなどのエネルギー資源が豊富。これを利用することで活力が低下している農山漁村の体質強化につながる。農業白書では素材、エネルギー、医薬などの産業と融合させることにより、新たな所得と雇用機会を生み出せると説いた。

 例えば、太陽光パネルを牛舎の屋根に取り付けた北海道新得町の十勝北乃夢牧場は発電量の6割を換気扇や給水器で利用している。夏場の牛舎内温度が3度C近く下がり、牛の飼養環境も改善できた。

 太陽光や小水力を組み合わせてエネルギー供給源を確保し、外部に電力供給する「スマート・ビレッジ」も紹介。一方、エネ施設が無計画に整備されると農林漁業に必要な農地が失われ、農業者の経営規模拡大を妨げるといった危険性も指摘している。

さらに新規就農者の育成支援で、技術の未熟さから参入直後に所得が伸びないことが問題とし、12年度から始まる青年就農給付金制度を説明した。

 農産物の価格低迷が続く中、農山漁村の活性化に向けて6次産業化が必要だとし、取り組みによるメリットなどを紹介した。農産物の直接販売、加工、輸出、観光農園、農家レストランなどの6次産業の市場規模は現在、約1兆円だが、5年後に3兆円、10年後に10兆円にする計画。

 このカギを握るのが商品の差別化、ブランド化、マーケティングなどの人材確保。地域との良好な関係を築くことも重要になる。

 この支援策として11年9月に食料産業局を置いた。6次産業化法に基づく総合化事業計画の認定も開始。認定計画は11年度末で計709件に達しており、農家が加工・直売から再生可能エネ、海外輸出などに取り組んでいる姿が鮮明になっている。

 また輸出戦略では原子力発電所の事故による放射能汚染イメージに対し、国と民間が協力して各国にねばり強く説明するとともに、事業者の支援体制やジャパン・ブランドの確立、地理的表示の保護制度などが不可欠とした。

 【東日本大震災からの復興1年】
震災による農林水産関係の被害額は合計2兆4268億円で、新潟県中越地震の約18倍、阪神・淡路大震災の同27倍に相当する。津波で冠水した農地面積は水田2万ヘクタール、畑3400ヘクタール。被災した農地の除塩状況は3月末時点で39%、営農再開は40%にとどまり、復興支援が求められる。


【2012年4月25日 日刊工業新聞社】