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「六角堂」再び−復興のシンボル、茨城大が再建

 茨城大学は東日本大震災による津波で流失した同大学所有の「六角堂」(茨城県北茨城市)を再建した。写真などを参考に、岡倉天心によって創建された1905年(明38)当時の状況に復元。集まった3800万円の寄付で総工費の大半を賄った。完成式で茨城県の橋本昌知事は「震災で観光業が大きなダメージを受けている。復興のシンボルと期待したい」とあいさつした。

 六角堂は創建当時を再現するため、壁を顔料の「ベンガラ」(磁硫化鉄鉱石)で赤茶色に染め、瓦は通常より3センチメートルほど小さい愛知産を使用した。ガラスは機械吹円筒法という国内で現在ほとんど行われていない方法によってつくられたガラスを英国から輸入するなど細部にこだわった。

 一方で現代の建築技術によって耐久性も追求した。ガラスは2・5ミリ―3ミリメートルの厚みしかないので、風雨に耐えられるように2枚を張り合わせた。また、石灰岩を積んだだけの創建当時からの土台を取り払い、鉄筋コンクリートの表面に石英安山岩を張って石積みの雰囲気を作り出した。今回、設計に携わった若柳建築事務所(茨城県つくば市)の若柳綾子所長は「ガラスなど創建当時を復元するために細部にこだわると同時に耐震性なども追求した」と苦労を語った。


【2012年4月19日 日刊工業新聞社】