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福井県、ヒートポンプ活用しトマトを通年栽培

 福井県は2012年度からの新規事業として、ヒートポンプを活用したトマトの通年栽培に乗り出す。福井県高浜町内の約36アールの土地に、ヒートポンプを備えた硬質プラスチックの農業温室を建設し、県特産の中玉トマト「越のルビー」を栽培。ヒートポンプの働きで、重油やガスを使う通常の温室より暖房費用を節約すると同時に、夏と秋に限られているトマトの出荷時期を1年中出荷できるようにして、農家の収入増加と経営基盤強化につなげる。

 越のルビーは福井県立大学が開発したブランドトマト。糖度が7、8度と一般のトマトより高く、ビタミンCやリコピンなどの成分も約2倍多く含まれ、売り上げを伸ばしている。ハウス栽培物が中心で、出荷時期は5―7月と9―11月の年2回。これを年末や正月にも出せるようにすれば店頭に他県のトマトがない時期に出荷できるため高価格で売れ、農家の収入アップが期待できる。

 高浜町が農業者らと共同で、第三セクター「いきいきタウン高浜」を設立。同セクターがヒートポンプを備えた農業温室を、12年度中に約2億円かけ、建設する。ここに中玉トマトの苗を13年8月めどに定植し「10月から翌年6月にかけて、長期間、出荷できるようにする」(県農林水産部園芸畜産課)。

 年末や正月の時期は外気温度が低いため暖房コストがかさむが、ヒートポンプにより抑制。通常とあまり変わらぬ価格で出荷できるようにする。越のルビーは福井県で年120トンを出荷している。新技術で特産農産物の競争力を強化する動きは今後、他県にも広がりそうだ。


【2012年3月22日 日刊工業新聞社】