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水産総研など、来年度からシラスウナギの安定大量生産を研究

 水産総合研究センターは、静岡県水産技術研究所、近畿大学と共同で、2012年度からニホンウナギの稚魚である「シラスウナギ」の安定大量生産に向けた研究に乗り出す。大量採卵技術や人工飼料の開発などシラスウナギの大量生産技術を確立、大規模受精が可能な精子の大量凍結保存技術にも取り組むことで、天然シラスウナギに依存しない養鰻技術の確立を目指す。期間は5年間。技術開発が進めば国産ウナギの低価格化にも道が開けそうだ。

 日本の養鰻業は毎年1―3月に日本沿岸の河川に来遊する天然のシラスウナギを捕獲、約1年かけて200グラムほどの大きさに育てて出荷、食数で年間1億食、トン数で2万トン余りを供給している。しかし、シラスウナギは近年極度の不漁が続いており、ウナギの価格が高騰する原因になっている。

 水産総合研究センターはこれまでに、世界に先駆けてシラスウナギの飼育に成功。10年4月にはシラスウナギを親ウナギに育てて採卵、種苗生産する完全養殖に成功している。

 ただ現状では成長が遅く、ふ化からシラスウナギに育つ期間もバラつきがあるのに加え、大型水槽の飼育ができないため飼育尾数が数百匹にとどまることなどが課題になっている。

 12年度からの新研究では量産化に向け重要ステップになる大量採卵技術を確立するとともに、大量飼育に適した人工飼料と飼育容器を開発する。 アブラツノザメの卵を主成分にした現在の飼料から、原料を安定確保できる他の飼料の開発を急ぐとともに、栄養価や物性の改良に取り組んでいく。


【2012年3月21日 日刊工業新聞社】