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地域資源活用チャンネル

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2012・経済連合会トップに聞く/北陸経済連合会・永原功会長

 ―北陸経済の現状は。

 「2011年9月に実施した会員向けのアンケートで、現在の景気が悪い理由として『輸出の低迷』を挙げる企業が45%もあった。急激な円高が地域の産業や経済に大きな打撃を与えている。また、12%の企業が主力の生産拠点を海外に移すことに着手するか検討すると答えており、技術などの流出が心配。一方で新興国に市場を求めて進出する企業も多いが、こうした新興国に工作機械や部品を輸出し、北陸地域の経済活性化や雇用創出に結びつける対応も必要だ」

 ―会員企業の国際化を推進する支援策は。

 「国際化の現状と展望について考える勉強会をシンクタンクの北陸AJEC(北陸環日本海経済交流促進協議会)と連携して開いている。11年には北陸地域と韓国とで経済交流会議を開催した。実際に両国の企業同士で提携が実現するなど成果が出ているので、今後も継続していきたい。新たな取り組みとして、12年度から国際ビジネスを担う人材育成講座の開催も考えている」

 ―地域産業に向けた重点的な取り組みは。

 「地元の中堅・中小企業が持っている先端技術や得意技術を大手企業や大学研究者につなぐマッチング事業や高い成長が見込まれる次世代ロボット、コンバート電気自動車(EV)など新産業への支援活動に力を入れる。マッチングは従来の複数企業が参加する交流会形式とは違い、川上と川下との一対一の個別で展開することで商談につながる事例が増え着実に成果が出てきた。次世代ロボットについては、11年9月に「次世代ロボット研究会・北陸」を立ち上げ、地元7大学20人の研究者と企業11社が参加し情報の共有化や技術連携を図っている。コンバートEVは実証車を走らせて最高速度や充電時間などのデータを取得しているところだ」

―北陸新幹線の敦賀への延伸が決定しました。

「これまでは北陸新幹線を作ることに精力を傾けてきた。今後は北陸新幹線を活用して地域の発展につなげていく努力が必要だ。北陸三県の産業の発展や交流人口の増加などに結び付けていく。さらに経済への波及効果や東海道新幹線の代替補完機能を十分に発揮するため、大阪までの全線整備に向けた活動を展開したい」

 ―北陸地域のこれからのあるべき姿は。

 「成長が著しいアジア諸国とは日本海を介して対面していて、わが国の発展に重要な役割を果たすことができる地域だ。先般『日本でいちばん幸せな県民』が発行され、総合ランキングで1位が福井県、2位が富山県、3位が石川県と上位を占め、この地域の可能性を実感した。当会では目指すべき北陸像を「自然と都市機能が共生する、世界に開かれた産業・文化・交流の拠点」と位置づけており、実現に向けて積極的に取り組みたい」

【略歴】ながはら・いさお 71年(昭46)京大経卒、同年北陸電力入社。01年取締役、03年常務、04年副社長、05年社長、10年会長。同年北陸経済連合会会長。富山県出身、63歳。

【記者の目/北陸3県一体で観光客誘致推進】

 長年の取り組みが実を結び、北陸新幹線の敦賀までの延伸が決定した。また富山伏木港など3港が「日本海側拠点港」の指定を受けるなど明るい話題が多い。

 日本海側の社会インフラ整備の促進で富山県、石川県、福井県の北陸地域が一体となった活動が期待できる。観光客の誘致活動も「点」ではなく「面」で展開できれば経済面での効果も大きくなりそうだ。


【2012年1月18日 日刊工業新聞社】