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地域資源活用チャンネル

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2012・経済連合会トップに聞く/四国経済連合会・常盤百樹会長

 ―各種の経済指標では、四国の景況感に減速感が見られます。東日本大震災後の四国経済の現状をどう見ていますか。

 「震災発生直後、四国でも部材の調達難などが生じたが、現在では震災の影響は薄れてきている。ただ昨年12月の四経連景気動向調査では、四国の景気は緩やかに持ち直しの動きが続くものの、生産活動に足踏み感がうかがえ、一部に弱い動きがあった。歴史的円高や世界経済減速の影響が出て、先行きを懸念している」

 ―四国でも東南海・南海地震への対策が喫緊の課題。四経連としての提言などはありますか。

 「四経連会員企業の6割が今後の課題として『東南海・南海地震の発生懸念』を挙げている。今回の大震災を教訓に、すでに企業では事業継続計画(BCP)の見直しなど危機管理の強化に取り組んでいるが、国や自治体においてはハザードマップの早期見直しや防災インフラの整備などが必要だ。とくに太平洋側で整備の遅れている高速道路8の字ネットワークは、地震や津波に強い『命の道』として早期完成を目指すべきだ。地震への強い対応力を持った“四国づくり”を国に提言、要望したところだ」

 ―昨年は高松―上海間の航空便就航など、観光面では明るい話題もありました。四国にとって観光振興は重要施策のひとつです。

 「一人でも多くの人が四国ファンになってもらうように、四国各地で活動する語り部(観光ボランティアガイド)の団体が一堂に会し、課題を議論する交流会の開催や語り部の活動に役立つ情報誌の発行などに取り組んでいる。また四国遍路は四国が誇る生きた文化遺産。遍路の世界遺産登録に向けて推進協議会をつくり、役割分担して活動を進めている。外国人観光客の誘致も重要課題だ。現在、四国を訪れる外国人は全国の0・5%にすぎないが、四国が単なる発着点でなく観光の目的地となるよう、四経連も参画する『四国ツーリズム創造機構』と連携し、四国の魅力の情報発信や西日本の広域観光ルートを形成したい」

 ―四国の活性化に向けた四経連の2012年における方向性、取り組みは。

 「今年は震災復興に加え、社会保障と税財政の一体改革、環太平洋連携協定(TPP)交渉、地方分権改革、環境・エネルギー政策など、今後のわが国の行方を左右する重要問題解決への道筋がつくことを期待している。こうした動きを踏まえつつ地震対策や産業空洞化、道州制、少子高齢化への対応など四国活性化に向けた基本的課題に四国を挙げて取り組みたい。四国の強みを生かした成長産業の創出、観光や食の分野でのアジアの活力の取り込みなどにも、四国4県や産学官連携のもと、四国の将来を切り開く活動をしたい」

【略歴】ときわ・ももき 64年(昭39)京大法卒、同年四国電力入社。95年取締役、98年常務、01年副社長、05年社長、09年会長。同年四国経済連合会会長。香川県出身、70歳。

【記者の目/外国人観光客呼び込み焦点】

 「瀬戸内国際芸術祭」や「土佐・龍馬であい博」などで、大きな効果があった10年から一転、昨年は東日本大震災の影響で観光振興は足踏みを強いられた。ただ、好調な滑り出しとなった高松―上海便に加え、1月23日からは徳島と中国・長沙を結ぶ定期チャーター便も就航する。外国人観光客に四国の魅力をいかに伝えるか。四国全体での知恵出しが必要だ。


【2012年1月17日 日刊工業新聞社】