HOME > 事業を広げる > 地域資源活用チャンネル

地域資源活用チャンネル

ニュース

経済連合会トップに聞く/中国経済連合会・山下隆会長

 ―会長就任から半年。いよいよ今年は本格始動になります。 「正直いって就任時には何をするのかと思っていた。会員や他の経済団体の方々と話をしていると、当連合会への期待が大きく、想像していたよりもずっと重いものだった。混迷の時代だが、中国地方の自立的、持続的発展のために尽くしていきたい。やりがいのある仕事だと感じている。活力と魅力ある中国地方にするため、新年はもっともっと会員とともに汗をかきたい」

 ―その地域経済をどうリードしますか。

 「幸い、中国地方は基礎素材型や加工組み立て型の産業が集積し、観光資源などのポテンシャルも高い。この特性や資源を活用して活性化、競争力を高めることが大切。実際に管内を歩いてみると、中小でもオンリーワン、ナンバーワン企業が軒を並べている。景気に左右されない堅実な経営者も大勢いる。数字では計り知れない資産が多いことに驚くこともしばしばだ。為替の適正水準化、法人税引き下げなど諸外国とのイコールフッティング(同等の条件)が前提になるが、まだまだ競争力はある。空洞化をストップさせ、ものづくり産業の基盤を強くしていきたい」

 ―歴代の中国経連トップは観光振興にも力を入れてきました。

 「観光産業は成長分野と位置づけ、これまでも何とかしようとしてきたが成果は今ひとつだった。インバウンド(外国からの)観光客で中国地方に宿泊するのはわずか1・5%に過ぎない。観光資源は多いのになぜか。一つには県をまたがって一体感のある観光アピールができなかったことだと思う。横断的組織をつくりピンポイント観光からルート観光を目指したが思惑通りには行かなかった」

 ―周遊観光の再構築ですね。

 「大震災で被災した人々から地域団結の必要性をあらためて教えられた。観光も同じように連携すれば魅力が何倍にもなる。日本海、瀬戸内海のすばらしい景観、三つの世界遺産、文化・産業観光でも誇れるものは多々ある。例えば、中国地方の5県すべてにある『神楽』。神楽団ごとに趣の違う神楽のツアーなどは一つの観光の目玉にもなる。再度ニーズを調べて組み立てているところだ」

 ―産学官連携推進も継承されますか。

 「産学連携によるイノベーション(新機軸・革新)の創出、人材育成は今後も大切なテーマ。前会長時代に確立したシステムを、行動する中国経連として加速したい。中国地方5国立大学連携などのオープンイノベーションや、今年10年を迎えるキャンパス・ベンチャー・グランプリ中国などが幹。これらを一層育てるために畑を見つけ、肥料や水をやる努力を継続したい」

 【略歴】やました・たかし 66年(昭41)九大工卒、同年中国電力入社。99年取締役、01年常務、03年副社長、06年社長、11年会長。同年中国経済連合会会長に就任。鹿児島県出身、68歳。

 【記者の目/地域再生へ現場に軸足】

 中国電力の社長時代も3現主義(現場・現物・現実)を貫いたが、中国経連会長としてもスタンスは同じ。「この地域で育ててもらった経済人としてさまざまな企業の現場を歩き、目で見て、情報発信したい」という。実行力と説得力のある語り口、着飾らない性格が持ち味。経済界にファンも多い。豪快だが緻密なゴルフ同様、その“切れ味”に地域再生がかかっている。

 (広島・正伝盛豪)


【2012年1月13日 日刊工業新聞社】