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経産省、伝統工芸品の産地復興へ設備導入費用を負担

 経済産業省は東日本大震災により被害を受けた伝統工芸品産業の復興支援を強化する。特に、全工場が津波に流された「雄勝硯(すずり)」の産地と、東京電力福島第一原子力発電所事故により元の場所での復興が難しくなっている「大堀相馬焼」産地の2カ所を重点的に支援する。加工設備の導入と設置は、必要費用の全額を経産省が負担する。予算措置として、通常の中小企業支援とは別に、2012年度予算案に2億円を盛り込んだ。

 東日本大震災の直接被害とその後の風評被害を受けた産地のうち、経産相の指定する「伝統的工芸品」の産地を対象とする。「雄勝硯」産地の宮城県石巻市雄勝町では、工場が海岸沿いにあったため、津波により全工場が流された。

 これまでに中小企業基盤整備機構による支援策を活用して仮設拠点を設け、販売を再開しているが、本格的な生産再開はこれから。近くの山から材料となる石を切り出して運び、加工する一連の生産工程を回復できるようにする。

 陶器の「大堀相馬焼」は、福島県浪江町の工芸品。工場は福島第一原発から半径20キロメートル圏内にあり復旧が困難になっている。経産省は二本松市の工業団地内に仮設工場(工房)を作る計画を支援する予定。

 経産省は2産地が現状のままでは本来の産地として維持できないと見て、支援を本格化する。生産設備の整備に加え、売れ筋商品・デザインの市場調査や宣伝などの流通・需要開拓も一部を支援し、ブランドの復興につなげる方針だ。


【2012年1月6日 日刊工業新聞社】