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水産総合研究センター、低コストで魚養殖できる閉鎖循環システム開発

 【高松】水産総合研究センターの瀬戸内海区水産研究所屋島庁舎(高松市)は、低コストで海産魚類を飼育できる「閉鎖循環飼育システム」を開発した。生物濾過装置と気泡による不純物除去を併用、省エネ、疫病防止など利点が多く、排水処理装置としても応用できる。「次世代型養殖装置」として地元産業界などにビジネス化を呼びかけ普及を狙う。

 システムは生物濾過と泡沫(ほうまつ)分離の2装置で構成する。濾過装置は水を高いところから低いところへ移す「サイホンの原理」を利用し、魚に与える餌の残餌やふん尿を除去。自動的に濾過槽の水位が上下し、ろ材は水中と空気中にある状態が繰り返される。

 一方、泡沫分離装置はマイクロバブル(気泡)を発生させ、気泡に水中の不純物を吸着させて除去する。加えて水は常時、循環させているので水温も下がりにくく、ボイラで水温維持しなくても済む。価格は50トン水槽で約200万円を見込む。マダイなどの飼育費用は稚魚1尾当たり12円から7円に下がるという。

 海での養殖の場合、残餌やふん尿は網底をくぐり抜け海底に蓄積し魚病や赤潮を誘因する。排出有機物の50%以上はアンモニアとして溶出。毒性が強く、水槽などでの飼育には飼育水から除去する仕組みが課題だった。

 今後、「四国おさかな工場研究会」(尾北俊博座長=アクト社長)との共同研究も検討。同研究会には徳島県立工業技術センター、徳島大学、阿南工業高等専門学校、香川高等専門学校が参画しており、産学官での推進体制で事業化を加速する。


【2011年12月15日 日刊工業新聞社】