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千葉県の地銀3行、農業参入支援を本格化

 【千葉】千葉銀行など千葉県内の地銀3行が異業種からの農業参入支援を相次いで積極化している。農業産出額で全国第3位を占める県の優位性を生かした地域経済活性化の取り組みで、各行とも専門部署や専任者を置き、企業による農業法人設立を促す。国も「六次産業化法」の制定などで支援に本腰を入れており、各行が競って農商工の橋渡し役を担う。

 株式会社が農業法人を設立する場合、制度の違いなどでとまどう面も多く、イメージ先行で目的が明確化していないケースもある。そこで各行は専門知識を持った担当者が企業と密接な関係を作りつつ“オーダーメード”で支援することを主眼に置いている。

 千葉銀行は法人営業部成長ビジネスサポート室に農業分野専門の担当者を配置。全国の地銀でもトップクラスの店舗網を生かし、「商流と市場を確保した上で参入を支援している」(成長ビジネスサポート室)。京葉銀行は09年にアグリビジネス支援室を設置。これまで7件の支援実績があり、現在も複数の案件が進行している。千葉興業銀行も農業の専門担当者として県庁OBを招き、同行の各部署と協同して農業への参入を支援する体制を整えている。

 県内3行がそろって農業法人の設立支援を強化している背景には、農業従事者の高齢化に伴う有休農地や耕作放棄地の問題の深刻化がある。「千葉県は東京という大消費地に近接し、販売先に困らない農家が多いが、従来通りの経営で今後も勝ち残れる保証はない」(千葉銀成長ビジネスサポート室)状況。さらに、09年の農地法改正で農地の貸借規制が緩和され一般法人などの農業参入が容易になったことで、資金力を持つ企業の参入で農業活性化、県経済全体の活性化を狙う機運が高まった。

 ただ、「農業への新規参入後、数年は黒字化できないという覚悟は必要」(山田静司京葉銀営業渉外部アグリビジネス支援室長)。各行とも長期的な視点に立ち、地道な取り組みを続ける考えだ。


【2011年12月14日 日刊工業新聞社】