HOME > 事業を広げる > 地域資源活用チャンネル

地域資源活用チャンネル

ニュース

“キーパーソン”連携、経産省の「研究会」通じ広がり−専門や地域越え産業活性化

 地域の産業活性化支援で重要な役割を担う“キーパーソン”の連携が、経済産業省の「キーパーソン研究会」を通じて広がっている。専門分野が異なるキーパーソンが組んで特産品を開発したり、これまで関係が薄かった地域間の企業交流が行われたりしてきた。経産省が2010年度に発足させた同研究会の後押しもあるが、キーパーソン同士が自主的に連携しようという機運が高まっている。(村山茂樹)

 【対象地域で検証】

 経産省は独自のネットワークやノウハウを生かして地域経済に活力をもたらす人材をキーパーソンと位置付ける。キーパーソン研究会はこれまでの地域活性化支援の問題点を抽出し、対象地域にキーパーソンを試験的に送り込んで検証した。

 「人が人を呼ぶ関係が大切だ」。経産省が9日に開いたキーパーソン研究会の成果報告会で、福間敏島根県商工労働部企業立地課参与はキーパーソン同士の連携の重要さを訴えた。地域の実情に応じて求められる専門家は異なる。さまざまな地域で活性化に携わったキーパーソンが人脈を生かし、課題解決に結びつく人材を招くことでより大きな成果が得られるようだ。

 新潟県十日町市の活性化では、キーパーソンが地域のリーダーらと組織づくりを手がけながら、商品づくりが得意なキーパーソンを誘い込んで特産品を開発。魚沼産コシヒカリをはじめ地元の食材を使った巻き寿司を生み出した。

 【特産品生む】

 巻き寿司にはさまざまな具材が入る。採用する具材の種類やどのような味付けをするかの工夫に地域の多くの人がかかわることができる。地域内の産品を生かした商品づくりという点でメリットがある。こうした新しい特産品の開発について、地域活性プランニング代表の藤崎慎一氏は「それぞれのキーパーソンの専門分野の強みを生かした」と説明する。

 島根県や三重県、秋田県などの地域のキーパーソンが連携し、各地の企業を結びつけて技術開発で協力する事例もある。三重県の山川進農水商工部商工・科学技術担当理事は「キーパーソンを別のキーパーソンが利用し、地域のリーダーとのつながりを強めている」と従来の地域活性化にはない広がりを実感する。

 【直接の交流】

 従来の地域活性化は単独の取り組みに終わりがちだった。キーパーソン研究会の仕掛け役である前田泰宏経産省サービス政策課長は「これまで中央を経由して支援していたが、これからは地域間が直接つながる」とキーパーソン同士の直接の交流が新たな地域活性化の姿をつくると見る。

 報告会では海外展開の必要性を訴える声が上がった。国内市場だけでは成長が難しい中、海外に目を向けた取り組みを支援する人材のニーズが高まっている。経産省はキーパーソン研究会について「来年度も展開したい」(内山俊一地域経済産業審議官)とする。地域産業の課題解決のカギを握る人材の輪はさらに広がりそうだ。


【2011年12月13日 日刊工業新聞社】