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農商工連携の今(95)コンニャクと金ゴマ使い加工食品

 市民生活協同組合ならコープ(奈良市、森宏之理事長、0742-34-8731)は、JAならけん(奈良市)や食品加工メーカーと連携し、奈良県産のコンニャクイモと金ゴマを使った加工食品の開発に着手した。県内の遊休農地で栽培したコンニャクイモと金ゴマで、コンニャクやゴマドレッシングに加工、ならコープを通じて販売する計画だ。経済産業省から農商工連携事業の認定も受けている。農商工連携事業に生協が参加するのは、全国でも初めての事例だ。

 ならコープは「食べる“なら”大和」というブランドを立ち上げ、奈良県産の農産物やそれらを使った加工食品の販売を手掛けてきた。2008年にはJAならけんと「地産地消をすすめる会」を設立し、県内農産物の消費拡大を進めている。協力を続けるうち、遊休農地解消のため新規農産物の導入を促進したいJAならけんと、地元の農産物を使って商品を開発したいならコープの思惑が合致し、今回の事業が決定した。

 両者は、かつて奈良県の特産品だったコンニャクイモや国内に生産者が少ない金ゴマに着目し、これらを使った加工食品の開発を決めた。製造は、コンニャク製造のオーカワ(奈良県下市町)、調味料製造のユーサイド(京都府宇治市)、金ゴマ焙煎(ばいせん)の山田製油(京都市西京区)、和菓子製造のゲイコー(熊本市)などが担当。既に金ゴマを入れたコンニャクを開発、組合員向けにテスト販売したところ好評だった。 今後は、ゴマドレッシングや刺し身コンニャク、ゴマ豆腐、ゴマ菓子など商品ラインアップを拡充し、12年3月から本格販売する予定だ。

 同事業の特徴は、農業生産者と加工業者だけでなく、流通販売を担う生協が主体となって参加していることだ。従来の農商工連携事業では、商品の開発に成功しても、販路の構築に失敗し事業化に至らないケースもあった。だが、地域に強いブランド力と販売網を持つ生協の販路を駆使すれば販売促進は比較的容易だろう。

 農商工連携事業の申請に当たり、JAならけんは「5年間で523万円の売上高増加と遊休農地など150ヘクタールの有効活用」を、ならコープは「5年間で6128万円の売上高増加と『食べる“なら”大和ブランド』の向上」を目標に掲げた。同事業が販売目標を達成できるかは、今後の農商工連携事業を考える上で参考となる。


【2011年11月28日 日刊工業新聞社】