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農水省、農林漁業に企業の技術−産業連携組織を設立

 農林水産省は企業が持つ技術や商品を農業分野に生かすため、産業連携を促す全国組織を12月1日に設立する。全国組織の名称は「産業連携ネットワーク」。事務局は農林水産省食料産業局産業連携課内に置く。経団連や商工会議所といった産業界や、主婦連合会など消費者団体、全国農業協同組合連合会や日本農業法人協会など農林水産業界、地方銀行や信用金庫など金融機関、行政団体の加入を想定する。

 発光ダイオード(LED)照明など二酸化炭素(CO2)削減につながる装置や、作業効率を高める省力化システムをはじめ、企業が持つ技術力や商品を農業分野に生かし、農林漁業を成長産業にする。国内農家の多くは労働者の高齢化問題に加え一部産品の低価格に悩んでおり、作業の効率化や高付加価値化が欠かせない。個別の企業連携の成果を全国の産業連携ネットワーク会員に伝えて新たな事業の創出に応用してもらう。

 幅広い分野から産業連携ネットワークに参加することで、課題や問題意識を共有するとともに農水省から提案、情報提供を行い個々のプロジェクトの実行につなげる。ある地域で成功した省エネルギー型植物工場の運営法を他地域に伝えることなどが考えられる。また食品メーカーが企業の社会的責任(CSR)活動の一環で手がけている食育プログラムや都市と農村の交流プログラムを全国展開するなど、会員企業の声をくみ上げて連携を促す。

 2012年1月に開く幹事会で当面の活動方向を議論し、テーマ別に設ける部会ごとのプロジェクトに発展させる。部会の数は十数から20程度になる見通しだ。3月に部会ごとの中間とりまとめを行い、4月以降プロジェクトを実行する。

 経団連は今年3月、会員企業の農林漁業の活性化に向けた取り組みの事例集をまとめた。その中でオランダの栽培技術を導入しトマトの高収益・高品質化を実現した事例や、情報通信技術(ICT)活用による食の安心安全を高める管理手法と生育情報収集技術などを紹介している。農水省は「こうした先行事例を全国に広めることで農業の活性化につなげたい」と経団連などの協力に期待する。


【2011年11月23日 日刊工業新聞社】