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農商工連携の今(92)愛知のブランド鶏卵−餌と鮮度にこだわり生産

 太田商店(愛知県岡崎市、太田直樹社長、0564-51-9703)は、地元養鶏業者と一緒にブランド卵「ランニングエッグ」を生産する。ごはんに生でかけておいしい卵だ。卵をかけるを“かけっこ”のランニングに掛けた名前。直売所には新鮮な卵を求めて毎日250人程度の客が来店する。配達先も300軒を越えた。

 飼料卸販売が主力の同社が、ブランド卵の構想に着手したのは10年ほど前。取引先の畜産や養鶏農家は一部で大規模化する一方、高齢化や後継者不足で廃業も多く、飼料の需要が減退していた。

 「生き残るため地域の農家と力をあわせブランド化を図る」(原祥雅専務)。目指したのは昔、家庭で毎朝とれた新鮮な卵。餌の取引で30年の付き合いがある養鶏農家の杉山ポートリー(愛知県西尾市)とブランド卵の生産に取り組んだ。

 鶏に与える餌は遺伝子組み換えをしていないトウモロコシと良質な大豆から作ったきなこなどを配合して開発。これを飼料メーカーに作ってもらう。良い材料のため餌の値段は高いものの、卵は黄身が濃厚と好評だ。養鶏場には餌を買ってもらうが、同社が卵の全量を高く買い取る仕組みで、「安心して卵作りに専念してもらえる」(原専務)。

 トレーサビリティーと鮮度でも差別化を図った。鶏の一般的な産卵期間は生後150―700日。その期間のうち一番おいしい卵を産めるのが同220―420日とされており、この期間に産んだ卵のみをランニングエッグに認定している。ゲージごとで鶏の日齢を管理し卵を産んだ日を識別する。

 さらに集卵にもこだわる。通常、集卵は午前中だけの場合が多いが、夕方にも行い、産卵日を管理する。その卵を翌日包装し、店頭に並べることで産卵後3日以内のものだけを店頭販売する体制を確立した。

 地元のスーパーとも取引を始めたがバックヤードへの納品ではなく店頭への納品が条件だ。ほぼ完売するが残った卵は自社で回収する。手間もかかるが「安心して買ってもらえる卵」(同)のため努力を惜しまない。

 11月には直売所に飲食スペースを新設する。20席ほどの店内で卵かけご飯のほか地元の地域資源である地鶏「岡崎おうはん」の肉を使った親子丼も出す。事業拡大には配達の効率化や包装工程の設備増強も必要になるが「数年後には直売店を3店舗に拡大したい。愛知県の三河地方では卵といえばランニングエッグと言われるようにしたい」(同)と意気込む。


【2011年10月31日 日刊工業新聞社】