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首都圏リポート/茨城県の観光産業、風評被害で打撃−秋キャンペーンで巻き返し

 茨城県の観光産業が東京電力福島第一原子力発電所の事故による風評被害に悲鳴を上げている。観光地の主要なホテルと旅館への県の聞き取り調査によると、東日本大震災直後から7月末までの宿泊実績の平均は前年同期比約6割減。8月も「前年同月比約50―55%減の見通し」(大洗町の宿泊施設幹部)と振るわない。大洗サンビーチなど県内公設海水浴場17カ所の今夏の入り込み客数は悪天候続きも響き、前年同期比84.1%減の約28万人と過去最低を記録した。それでも県などは秋以降の集客に向け、振興策を検討し始めている。(茨城・山谷逸平)

 「大洗町に夏は来なかった。ホテルや旅館は(予約も少なく)一斉休業に入るのではないか」―。大洗町在住の田山東湖県議会議長は、25日に茨城県庁を訪れた東京電力の西沢俊夫社長に深刻な現状を訴えた。茨城県ホテル旅館生活衛生同業組合の村田實理事長も「施設稼働率は(地域によって)8割減もある。経営相談が殺到。自殺者も出かねない」と声を荒らげた。

 県が6月から8月にかけて3回実施した海水浴場の水質調査では、いずれの海水からも放射性物質は一度も検出されなかった。しかし、国の原子力損害賠償紛争審査会が6月に7000人を対象に実施した旅行意向意識調査では「放射能を懸念して旅行先にしたくない地域」として、福島県に次いで回答者の57.1%が茨城県を挙げた。


【2011年8月31日 日刊工業新聞社】