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山口大、地元漁師と加工食品「おひとつイカが?」を開発

 地方大学の産学連携は地元製造業相手だけでなく、地域ニーズの高い一次産業支援に展開を―。山口大学の産学公連携・イノベーション推進機構が、地元・山口県宇部市の漁師と開発した加工食品「おひとつイカが?」が、宇部市のブランド認定を取得した。若手コーディネーターが漁師と親しくなろうと船酔い覚悟で漁に同行したり、東京海洋大学とのネットワークで東京で地元素材を売り込んだり。工業とは違う分野を、若手パワーで新開拓している。

 今回のイカ焼きは、漁網に引っかかった市場に出せない小さなイカを、子どものおやつとして加工したものだ。山口大の地質調査にかかわっていた同機構の田口岳志産学連携コーディネータが、海底湧水について漁師の酒井勇治さんに話を聞こうとしたのが、きっかけだった。

 山口大は工業が盛んな宇部市で、製造業との産学連携の経験豊富だが、これは先端技術を使っていないし、同大には水産系の学部もない。クーラーとパソコンの大学オフィスに反感を持った、職人気質の酒井さんの心を開き、「宇部を元気にしたい」(酒井さん)と協力してもらえたのは、田口コーディネータの熱意ゆえだ。

 さらに一次産業支援の宇部市役所の各課やデザインの山口県立大学の協力を得て、ブランド認定までこぎつけた。田口コーディネータは「(地元産品開発の)スキームを確立したことから、さらなる展開に挑戦できる」と考えている。

 実際に、東京海洋大とぐるなびが企画する地域産品・メニュー開発セミナーに参加。山口県漁業協同組合のワタリガニや宇部蒲鉾(宇部市)のかまぼこを、イタリアンレストランで利用してもらうべく、東京でアピールした。地元自治体は地産地消に目がいきがちだが、大学が参加することで全国展開となった例としても注目されそうだ。


【2011年8月26日 日刊工業新聞社】