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首都圏リポート/栃木・かんぴょうプロ2年目−試食品から商品化へ照準

 栃木県経済同友会が中心となり、産学官連携で始まった「かんぴょうプロジェクト300」が2年目を迎える。栃木県で干瓢(かんぴょう)の栽培が始まって300年になることを記念し、初年度は干瓢を使った試食品の開発やPRイベントなどを開催。今年は、具体的な商品化を目標に掲げる。同プロジェクトの取り組みを追った。(栃木・杉浦武士)

 10日、宇都宮市の栃木県アグリプラザに関係者約40人が集まり、干瓢を使った調理品の試作会が開かれた。シフォンケーキや菓子パン、漬物など食卓に並んだのは10以上のメニュー。会場では舌鼓を打ちながら試食を楽しむ姿が見られた。

 干瓢は夕顔などの実の皮をむき、乾燥させたもの。これまで食材として活用法が一つに絞られていたことや、農家にとって皮をむく作業が重労働であることが普及の妨げになっていた。

 今回の試食品では、乾燥させず生のまま調理したものや皮をはいだ実を使うなど、日干し以外の活用法を披露。例えば杏仁(あんにん)豆腐では、実を使い、ココナツのような食感を持つ素材として調理し、スイーツの具材として活用した。

 同プロジェクトは同友会や宇都宮大学、県や農家など産学官の関係者が中心となって2010年に発足した。江戸時代の1712年(正徳2)に滋賀県から栃木県に干瓢が伝来して300年になることに合わせ、3年計画で干瓢の普及を目指している。

 この1年間、同プロジェクトでは主に試食品の開発などを研究し、同時に各地でPRイベントを展開。同時に干瓢を粉末化した乾麺や菓子パンなどの商品開発も広がってきた。

 パン・アキモト(栃木県那須塩原市)では生の干瓢をオレンジと練り合わせたパンを開発。同社営業部の大美賀みどり係長は「交流を通じ、プロジェクトから開発のヒントをたくさんいただいた」と話す。

 2年目を迎える今年は、試食品から一歩踏み込み、具体的な商品化への仕組み作りを目標とする。プロジェクトの発起人である大地(小山市)の生沼均社長は「活動に企業を呼び込み、商品化できる仕掛けをつくっていきたい」と説明する。

 干瓢はもともと栃木県が国内の約90%を占める産地。ただ、近年では低価格の中国産に押され、生産量が減少。県によると、06年の生産量は約330トンで、ピークの78年に比べて約94%もの減少となった。

 こうした逆風の中でも「地元の特産品をなくしてはいけない」「スイーツの具材などまだまだ活用先はある」と参加者の意気込みは旺盛。商品化という大きな課題に向けて、取り組みの成果に期待が集まる。


【2011年8月18日 日刊工業新聞社】