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首都圏リポート/東京・池袋地区、外国人観光客誘致へ

 東京・池袋地区のホテルや小売業が協力し、外国人観光客(インバウンド)の集客に力を入れている。シティーホテルや大規模小売店などは共同で宿泊・商業施設を掲載した4言語の案内マップを作成し、池袋だけでなく海外でも配布。現地の日本観光サイトにも情報を掲載して池袋の魅力を発信する。ビジネスホテルでも協力組織を立ち上げ、大手ネット旅行会社と連携したキャンペーンを始めた。東日本大震災後に落ち込んだ外国人旅行客が戻りつつある中、横のつながりを生かして共同戦線を張る。(北東京・東和宏)

 副都心・池袋は多くの買い物客、観光客が訪れる。大手家電量販店やアニメ専門店があり、北口周辺に中国系の店舗が多いことから中国人観光客などが多く訪れている。

 だが、宿泊地としての池袋は低迷している。昨年1年間で池袋の主要ホテルと都内主要ホテルの平均稼働率を比べると、池袋は4.4ポイント低い80.4%、客単価も1000円以上低い7819円だった。

 そこでホテルメトロポリタンやサンシャインシティプリンスホテル、東武百貨店や西武百貨店、ビックカメラなど9社が「池袋インバウンド推進協力会」を設立。2月に9施設の情報を掲載したマップを作成した。施設によってはマップを持って来店すると記念品や割引などの優待が受けられ、好評だったという。

 7月に入ってビジネスホテルやトヨタ自動車の総合ショールーム、アニメ同人誌販売店などを加えた16施設を収録した第2弾のマップを作成した。マップは韓国で開催されるアニメフェスタや東南アジア3カ国で行われる旅行博覧会でも配布。また、中国の日本観光サイトにもマップ掲載施設の情報を掲載する準備を進めている。

 一方、ビジネスホテル側も今年2月に「池袋ホテル会」を設立。これまで「近隣のホテルが価格競争を進め、地域全体の価値を下げていた状況を打開する」(臼倉康晴ホテルグランドシティゼネラルマネージャー)のが狙いだ。現在は13社が加盟し、各ホテルの前月の客単価や稼働率、宿泊客の変化などの情報を共有している。また、大手ネット旅行サイトと協力して地域特集を組んで集客を図っている。会が窓口となり、周辺施設との宿泊セットプランを作成する取り組みも進める。

 外国人観光客は大震災の直後に大きく減少した。外国人比率が通常5割のホテルメトロポリタンは4月に13%まで下落し、6月は26%だった。通常60%のプリンスホテルも震災直後は約10%に落ちた。7月は41%まで戻り、「香港や中国からの宿泊客はピーク時の8割まで戻ってきた」(白尾浩児サンシャインシティプリンスホテル宿泊支配人)。西武百貨店池袋本店は中国人の免税利用件数が4月は前年同月比11%だったが、6月には同50%まで戻っている。

 池袋は「地域の観光目玉が乏しい」(臼倉ゼネラルマネージャー)のが悩みだったが、8月にサンシャインシティ内の水族館が改装オープンし、注目を集めそうだ。「池袋は百貨店から量販店、アニメなど何でもそろっている」(白尾宿泊支配人)のを強みに、外国人観光客に池袋の魅力をアピールしていく。


【2011年8月2日 日刊工業新聞社】