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インタビュー/陸前高田市・復興街づくりイベント実行委副委員長・藤野英人氏

 津波で壊滅的な被害を受けた岩手県陸前高田市で、地元企業のにぎわいを取り戻すことを目指す「復興街づくりイベント」の準備が進んでいる。国の支援を待つだけでなく、自ら雇用の受け皿を作ろうとの試みだ。実行委員会の副委員長で、ファンドマネージャーの知識を生かして企画を進める藤野英人氏(レオス・キャピタルワークス取締役)に聞いた。(奥田耕士)

 ―イベントの実行委員長はワタミの渡辺美樹会長です。

 「若手市長の勉強会に参加している渡辺氏が復興支援で被災地を回った際に、陸前高田市の戸羽太市長の要請で同市の参与に就任した。私は1996年にワタミが上場する前から付き合いがあり、仕事だけでなく社会貢献活動でも協力してきた。今回も渡辺氏からファンドマネージャーの知識を生かして協力してほしいと電話をもらい、副委員長を引き受けた」

 ―被災地を視察して考えたことは。

 「陸前高田市は市街地の大半を津波で流された。絶望して当然だが、現地を訪れると少数ながらも前向きな経営者がいた。肉厚シイタケの生産者は苗床がぎりぎりで津波を免れたのを見て生き残った意味を考え、陸前高田をキノコの村にしたいと話してくれた。世界に誇れるエコタウンとして再生する絵コンテを作り、熱く語っている人たちもいる。なくしたものやできないことを数えるのでなく、知識を生かして商売を考えることはとても重要だと思った」

 ―具体的にどんなイベントになるのでしょう。

 「町を復興するには土地の人々の商売魂を喚起する必要がある。実際、肉屋さんや居酒屋さんやクリーニング屋さんが、店を流されて避難所にいながらも地域のためになりたいと頑張っている。このイベントを機会に、陸前高田を代表する土産物になるような菓子を作ろうと盛り上がっている人もいる。イベントは8月27、28日の両日に、50店舗以上を開く。飲食店でも水産加工物の販売店でも青空理髪店でも何でもいい。仕事をして、いい商品・サービスで顧客に感謝されることの喜びを思い出してほしい」

 ―私たちには何ができるのでしょう。

 「このイベントは独立採算で開催する。前売りのチケットを販売予定なので、購入して金券として使っていただきたい。来られない方はそのまま寄付になる。また、応援団となる『陸前高田100(ワンハンドレッド)』の会員も募集する。1口10万円以上の寄付をいただき、東京や大阪で開く勉強会や地元経営者との交流会に参加して意見を述べていただく。受け身で国の支援を待つのでなく、地域と民間の力で復興を目指す活動に力を貸していただきたい」

 【略歴】ふじの・ひでと 早大法卒、野村投資顧問(現野村アセットマネジメント)、ジャーディンフレミング(現JPモルガン・フレミング投信投資顧問)などを経て2003年にレオス・キャピタルワークス設立に参加、最高運用責任者(CIO)に就任。富山県出身、44歳。


【2011年7月28日 日刊工業新聞社】