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首都圏リポート/茨城県、風評被害払拭へ首都圏で復興イベント

 茨城県は震災復興と東京電力福島第一原子力発電所の事故による風評被害の払拭(ふっしょく)を目的に、首都圏で相次いでPRイベントを始めた。14日には県が東京・銀座にアンテナ店「黄門マルシェ―いばらき農園―」を開店。これに先駆けて水戸市はJR上野駅と大宮駅で、つくば市も東京都庁で観光PRを行った。茨城県への観光客誘引に向け、今後はアンテナ店の販売実績や店舗を活用したイベントの実績が問われる。(茨城・山谷逸平)

 「黄門マルシェを成功させて、茨城県に多くの人に来てもらい、県産品を愛してもらいたい」。橋本昌茨城県知事はオープンニング式典でこうあいさつした。来賓の田山東湖県議会議長が「茨城の危機」とするほど、東京電力福島第一原子力発電所事故による県内への風評被害は深刻だ。県は当初、9月開店を予定していたが、「海のきれいな本県は、例年7、8月は稼ぎ時だが、今年はホテルや旅館の予約はさっぱり」(橋本知事)のため、夏休みの時期を考慮し前倒した。

 アンテナ店設置事業は、県が6月補正で予算に組み込んだ。銀座TSビル(旧銀座東芝ビル)の1階に半年間限定で開く店舗で、県内の農林水産物の安全性や観光地の魅力などを積極的にPRする情報発信拠点とするのが目的だ。約200平方メートルの床面積を販売と喫茶スペースに分け、店外にイベントスペースを設置。販売スペースでは季節の野菜や果物、納豆や酒類、加工食品など、県内産品を常時200種類以上を販売している。「農作物を徹底的に検査しているが、安全だということが分かってもらえない」(橋本知事)と、マルシェ(市場)経営が専門の銀座農園(東京都中央区)に委託し、管理、運営、販売方法を任せた。

 つくば市も東京都の協力を得て、東京都庁の全国観光PRコーナーで1週間、観光・物産販売を実施。初日には、市原健一つくば市長が震災後、都内で行う観光PRとしては初めて出席し、市内への観光客や来訪者の呼び戻しに一役買った。

 一方、水戸市は6月補正予算で追加した「観光復興誘客促進事業」で首都圏での観光キャラバンを実施。8月に水戸市内で開催される「水戸黄門まつり」への誘客を目的に高橋靖水戸市長らがJR上野駅と大宮駅でPRした。水戸市も観光PRで市長自ら首都圏に出向くのは初めてだ。

 「PR下手」とされる茨城で、風評被害の払拭を目的に、これまであまり見られなかったトップセールスが相次いでいる。アンテナ店のイベントスペースでは水戸市が31日に水戸黄門まつりのPRでトップセールスを実施するほか、鉾田市でも同様の動きがある。だが、まだ自ら出向いてPRする市は少ない。県内から飛び出し、情報発信拠点を活用した積極的なPRが必要だ。


【2011年7月26日 日刊工業新聞社】