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北海道経産局、地場産業2分野を重点支援

 北海道経済産業局は、道を代表する地場産業のIT・バイオ分野をさらに成長させるための支援策を盛り込んだ「北海道IT・バイオ産業クラスター次期戦略」を策定した。2020年度に両分野合わせて10年度比62%増の7500億円の売上高を目指す。重点施策として、同様に道産業の柱である食・観光分野へのIT利活用促進、夕張ツムラ(夕張市)の取り組みで注目度が高まる漢方薬原料(生薬)の栽培・加工拠点形成などを掲げている。

 道経産局は地域経済団体などと連携し、01年度からIT・バイオのクラスター振興戦略を推進してきた。その成果として、10年度にはITクラスターの売上高が4125億円(01年度比約70%増)、参画企業数が357社(同約40%増)、従業員数が1万9950人(同約30%増)、バイオクラスターはそれぞれ501億円(同約4・0倍)、123社(同約2・2倍)、1497人(同約2・9倍)に拡大した。

 次期戦略は時代に合った新たな施策を打ち出すことで、この成長の流れを継続させることを狙ったものだ。20年度の具体的な目標数値として、ITは売上高6000億円(10年度比45%増)、雇用2万5000人(同25%増)、バイオはそれぞれ1500億円(同3・0倍)、2000人(同34%増)と設定した。

 食へのIT利活用では食品工場のIT化だけでなく、農業への導入も促し、生産性や品質を向上させる。観光ではIT活用の方向性を定めて利便性や使い勝手を高め、集客につなげる。また今後の成長が見込めるクラウド、モバイルに対応するソフト・アプリの開発力強化を支援するとともに、世界に打って出られるような若手ベンチャー起業家の輩出を狙う。

 道経産局のバイオ担当者は生薬について「“第2のレアアース(希土類)”とも言われ、中国では価格が上昇し、欧米では需要が増えている」と指摘。道の冷涼な気候を生かした世界的な生薬拠点の形成に期待をかける。生薬も医療につながるようにバイオ技術を健康増進・疾病予防に生かすとともに、農業・食品産業の高付加価値化に役立てることなどが施策のポイントとなる。

 11年度は、農業・観光IT化の実証プロジェクト創出、「モバイルコンテンツサミットin仙台」の開催支援、密閉型植物工場による植物バイオ研究支援、生薬拠点形成に関する調査などを計画。モバイルコンテンツサミットは全国モバイル関連団体の交流イベントで、道経産局が音頭を取り10年度に初めて札幌で開催した。11年度の開催時期は12年1―3月を予定しており、柚原一夫局長は「仙台での開催は被災地の支援にもなる」と期待している。


【2011年6月9日 日刊工業新聞社】