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農商工連携の今(79)地魚原料に手作り魚醤−すし店で提供、加工品へ応用

 魚を発酵、熟成してつくられる調味料である魚醤(ぎょしょう)。秋田の「しょっつる」や、タイ料理で用いられる「ナンプラー」などが知られているが、新潟では豊富に捕れる地魚を原料にした魚醤づくりと、それを料理や加工品へ展開する取り組みが進められている。

 新潟漁業協同組合(新潟市中央区、小田政市代表理事、025-244-6181)では、新潟県水産海洋研究所などと連携し、新潟を代表する海産物である「ナンバンエビ(ホッコクアカエビ)」の新しい活用法として、魚醤を開発した。新潟漁協では新潟県すし商生活衛生同業組合に、この魚醤を利用してもらうよう依頼したところ、すし店が、ナンバンエビのすしと魚醤を組み合わせて提供。客から好評を得た。

 臭みや雑味を抑えながら、魚の風味を残している点が特徴で、エビ独特の香ばしい匂いで、おいしさを引き立てる。魚醤は手作りで、添加剤などが入っていない分、品質管理が難しい。現在、新潟漁協では、すし組合にのみ販売しており、すし組合の加盟店が出す「極み」というすしメニューでこの魚醤が提供されている。

 新潟漁協、すし組合などは、2010年6月の農商工連携認定を受け、この魚醤関連事業をさらに拡大、加速させようと動きだした。未利用魚や低利用魚を原料にした魚醤づくりもその一つだ。今まで売り先があまりなかった魚にも使い道ができ、漁業者も潤う。

 また魚醤にすることでこれまで知られていなかった地魚のPRにつなげる。すし組合側にとっても新たな魚醤を用いることで、新潟のすしをさらに特色あるものとして県内外から訪れる観光客らにアピールでき、売り上げ増が期待できる。

 さらに新潟漁協では、開発する魚醤を加工品に応用することを目指している。例えば、新潟名産のヤナギガレイの一夜干しの味付けに、ヤナギガレイ魚醤を用いた商品などだ。「どんな種類の魚でも魚醤にできるので、応用範囲は広い」と新潟漁協では期待を寄せている。

 加工品は今後、新潟漁協の建物1階にある直売所で販売する考えだ。同建物1階の軽食コーナーでは、ナンバンエビ魚醤を用いたナンバンエビ丼がすでに提供されている。新潟漁協では「魚醤を新潟の食の目玉の一つにしていきたい」と意気込んでいる。


【2011年6月6日 日刊工業新聞社】