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農商工連携の今(78)サツマイモ・蜂蜜クリーム発売

 さんぽ道(愛知県豊川市、市川洋至社長、0533‐93‐7422)はサツマイモと蜂蜜を原料としたクリームを開発し、2010年11月に発売した。保存料や着色料などの食品添加物を使わず、サツマイモの風味と蜂蜜のフルーティーな味わいを最大限に生かしたのが特徴。地元産の千両サツマイモを採用し、このイモの新規需要開拓にもつなげ「地元から必要とされる存在を目指す」(市川社長)。

 同社は蜂蜜販売店。地元の農産物を活用した商品開発を目指す中、愛知県豊川市千両地区で栽培されている千両サツマイモに着目した。赤土で栽培されるサツマイモは石灰土壌に比べて栽培期間が長いため熟成が進み、うまみが増している。その風味を生かした商品として、ペースト状にしたサツマイモに蜂蜜を混ぜたクリームを考案。パンに塗るスプレッドなどとして売ることにした。

 サツマイモの栽培は無農薬での栽培技術を確立していた豊川市の古川悦弘氏が担当。千両サツマイモを遊休農地で栽培して、その保存を目指す千両会(愛知県豊川市)と一緒に栽培している。

 そのサツマイモと組み合わせる蜂蜜の選択で苦労した。結局レンゲやミカン、桜などさまざまな種類を試す中で「サツマイモと絡めた時の味のバランスを重視した」(市川社長)とし、マメ科ソラマメ属の一年草のヘアリーベッチの蜜を採用。ヘアリーベッチはミカン畑を雑草から守るために四国では人工的に群生させており生産量を確保しやすいのも魅力だった。連携に参加する中田養蜂(高松市)が、蜂の巣の巣板をそれぞれの花の満開時期ごとに取り換えることで特定の花だけの蜜を採取できるため、この蜜の入手も可能になった。

 原料の配合比率でも試行錯誤を重ねた。サツマイモと蜂蜜の比率はもちろん、水やミルクなどほかの原料の比率も含め「風味と甘さのバランスを追求した」(市川社長)結果、満足のいくクリームができあがった。

 クリームは150グラム入りの瓶で価格は820円。主に喫茶店も兼ねたさんぽ道の店頭で販売しているが、サツマイモ収穫後の11月から翌年3月までの期間限定商品となる。10年は2100個を11年3月初頭までに売り切っており、今後は徐々に生産量を増やす方針。 クリームに続く商品として菓子も開発中で13年までに発売する計画。14年にはクリームとお菓子を合わせて年商3600万円を目指すという。


【2011年5月30日 日刊工業新聞社】