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技能のツボ/木曽漆器−龍門堂

 木曽漆器は長野県木曽地域で約400年の歴史を持つ伝統工芸品。龍門堂(長野県塩尻市、手塚千吉郎社長、0264−34−3211)は、漆器の飯わんや高級家具づくりを手がけている。木曽地域の漆器づくりは木曽ひのきなどの豊富な木材資源と、漆の下地塗りに必要な鉄分を多く含んだ「錆土(さびつち)」があることで栄えた。

 漆器は材料の木地に下地塗り、中塗り、上塗りと漆を重ねて塗った後、研いで磨き、仕上げる。漆が製品保護の役割と、落ち着いた美しい模様と色合いを出す。

 漆器製作には10以上の作業工程があり、以前はすべて分業していた。本社工場勤務の長谷川広咏さんは「それぞれの工程すべて難しいが、一番気を使うのは漆の精製」と話す。木から採取した漆は、そのままでは使えない。きめ細かくなるように練って、水分を抜くための作業が精製だ。

 日光や電気炉を使って乾かし「職人ごとに自分のやり方を持っている」(同)という。精製の仕方によって、漆を塗る時の感触が異なり、見た目のつやなどの仕上がりが違ってくる。仕上がりの違いは一般のユーザーには見分けはつきにくいが職人の腕の見せどころだ。

 同社は現在、食器洗浄機に耐えられる漆器の開発に取り組んでいる。手塚社長は「幅広い取り組みをすることで、伝統工芸を次世代に引き継いでいきたい」と意気込む。


【2011年5月12日 日刊工業新聞社】