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久留米大、和紙に防虫効果持たせる技術開発−家具・壁紙向け提案

 【福岡】久留米大学は害虫忌避効果を持つ植物「クララ」を使って和紙に防虫効果を付加する技術を開発、福岡県八女市の手すき和紙業界に提案する。防虫素材として家具などのインテリアや壁紙などへの需要開拓につなげるのが狙い。2011年6月ころに茎や根の繊維を使った試作品を製作する。同大は普及のため自治体や業界団体の協力も得たい考え。

 試作品は、通常の手すき和紙の材料と製作工程はほぼ同じで一定量の繊維を和紙全体に分散するように製作する。試作によって製作における課題抽出も行う。外観には繊維の風合いを生かしたい考え。

 クララはマメ科の多年草。本州、四国、九州に自生しており防虫効果は古くから知られているという。乾燥した根は漢方薬に使われることもある。久留米大学は5年ほど前からクララを使った防虫効果を持つ素材の開発に取り組んでいる。これまでに抽出液をスプレーで染みこませた和紙を試作。書籍に対する食害があるシバンムシを対象に行った実験で忌避効果と殺虫効果を確認している。

 福岡県八女市を中心とする地域では手すき和紙が伝統産業の一つ。現在8人程度の事業者がいるという。手すき和紙は書道用紙や画用紙のほか壁紙やインテリアなどでも使われているが洋紙が一般化して需要は低迷している。久留米大はクララを使った手すき和紙の普及に併せてクララ栽培の産業化にもつなげる計画だ。

 久留米大知的財産本部の井上薫学長特命教授は「和紙に新たな価値を加えられるのではないか」と期待している。


【2011年5月11日 日刊工業新聞社】