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農商工連携の今(72)超高圧で農産物エキス採取

 東洋サプリ(広島市西区、野口裕美社長、082-509-1470)は、柏崎青果(青森県おいらせ町、柏崎進一社長、0718-56-5030)と共同で、ニンニクや長芋など青森県産野菜を活用した高含有機能性エキス商品群の事業化に取り組んでいる。2010年2月に農商工等連携事業計画に認定。八本松工場(広島県東広島市)で量産準備に入っており、まずニンニクエキスを本格販売する。

 青森県産の高品質農産物を超高圧処理することでエキスを抽出して商品化する事業。連携体代表者の東洋サプリは超高圧処理装置メーカーの東洋高圧(広島市西区)の全額出資子会社で、健康食品の販路、生産技術を保有する。柏崎青果は高品質野菜の栽培技術を持つ。東洋高圧も処理装置の設計・製作の立場で参加している。

 使用する装置は東洋高圧が開発した「まるごとエキス50リットル」。深さ1万メートルの深海に相当する100メガパスカルもの超高圧を生み出す装置だ。酵素分解によるエキス化や殺菌、熟成などの効果があり、食品や化粧品などさまざまな分野で活用されている。

 超高圧加工を採用すると、熟成期間を大幅に短縮でき、機能性成分もアップする。ニンニクの場合、血栓予防効果があるとされるシクロアリインが従来のニンニクエキスと比べ4、5倍、滋養強壮成分のS―アリルシステインも約18倍含まれることが分かった。しかも処理日数は数分の1程度なので差別化が可能になる。ほとんどがエキス化されるので、これまで出荷できなかったものでも出荷できる。青森県産のニンニク、長芋、ゴボウは出荷量が全国1位。大根やカブなどのシェアも高く12品目がベスト10に入る。連携効果で生産者の経営改善も期待できる。

 東洋サプリは04年の創業。東洋高圧は「技術蓄積を有効活用し、入り口から出口まで一貫した流れができないか」(野口賢二郎社長)と、分社した。これまでは装置を納入した企業の製品を販売しており、今回は自社ブランド商品の第1号になる。「出口を確保すれば顧客の声が直接入り、モノづくりにも反映できる」(同)と見ている。

 八本松工場では「まるごとエキス50リットル」が3台稼働中。フル稼働すれば3年後までの売り上げ計画が確保できる。ただ、ニンニクだけでなく、長芋やゴボウなど柏崎青果が扱う生産物の加工も検討しており能力をオーバーする。そこで300リットルタイプの大型装置を導入する計画も進めている。


【2011年4月18日 日刊工業新聞社】