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技能のツボ/袴地履物の製作−阿部産業

 山形県河北町の谷地地域はスリッパ産業の集積地として知られている。阿部産業(山形県河北町、阿部弘俊社長、0237-73-2141)は、一般的なスリッパづくりに加え、新たに開発した袴(はかま)地仕立ての室内履き「KINU HAKI」にも力を入れている。斬新なスタイルが評価され、2009年度グッドデザイン賞の特別賞「日本商工会議所会頭賞」を受賞した。

 KINU HAKIは山形県内の谷地スリッパと米沢織・袴地を融合。同社が山形県工業技術センターなどと組んで開発した。阿部社長は「従来のスリッパ製造工程とは違う。袴生地の特性を考慮した縫製など一つひとつ手間をかけて仕上げた」という。現在、一日で3、4足を仕上げる。

 各パーツの型抜きは機械でなく裁断用のはさみを使うほか、表生地となる袴地にはる接着芯は、これまでは設置していなかった熱プレスで作業する。「試行錯誤を重ね、袴地にはる温度や時間など各種条件を詰めた」(阿部社長)。

 素材によって接着芯の選定も行う。縫製は手縫いとミシンの双方を用いる。縫製の前にアイロンを使って生地の折り目を整えるなど、細部にこだわって作業を進める。

 KINU HAKIはこれまでのスリッパづくりを進化させる試み。阿部社長は「次の世代が続くように今後も挑戦する」と意気込んでいる。


【2011年3月24日 日刊工業新聞社】