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農商工連携の今(69)規格外の自然薯、麺・雑炊に

 山口県柳井市は自然薯(じねんじょ)の人工栽培発祥の地で、特産品の一つ。エムテックス(山口県柳井市、原田浩治社長、0820-22-0654)は、農事組合法人と連携し、規格外の自然薯を原料に麺類や雑炊などを商品化、発売した。同社のにおいがないこんにゃく製造技術を活用した。カロリーが少ない加工食品として首都圏などのスーパーで販売、好評を得ている。

 同社は2002年、こんにゃく製造の原田食品(同岩国市)の研究開発部門が分離・独立して発足した。こんにゃく独特のにおいの解消に長年取り組み、独自の製造技術を確立。06年にこんにゃくと米粉を原料とする「こんにゃくラーメン」を発売した。

 自然薯は古くから日本人にとって滋養強壮の食品として珍重されてきた。だが山中で根深く成長するため採取は重労働。68年には柳井市で人工栽培が考案され、その栽培法は全国に広まったという。今でも柳井市には栽培する農事組合法人や農家が多い。

 だが規格外の市場に出荷できない商品は廃棄されてきたという課題もあった。エムテックスは自然薯を生産する農事組合法人やまぐち自然薯生産組合(同柳井市)、コメ生産の農事組合法人おおさこ(同)と連携体を構築し、「自然薯麺」や「自然薯菓子」の製品化へ向けた取り組みに着手した。

 規格外の商品をやまぐち自然薯生産組合から仕入れ、「地元農業者と連携することで地域振興にもつなげたい」(原田社長)との思いから、米粉に使うコメも地元から仕入れることにした。

 08年には中国経済産業局などから農商工等連携事業の認定を受け、首都圏での展示会出展など販売促進活動を本格化した。現在では首都圏の複数の高級スーパーで取り扱われるなど、大消費地で順調に売り上げを伸ばしている。

 製品も雑炊やチップなど品ぞろえをさらに増やして、10年8月にはインターネット販売専用サイト「柳井の自然薯〜ええもん横町」を立ち上げた。インターネットを利用した販売はまだ少額だが、「今後は増加が期待できる」(同)と見ている。

 11年8月期売上高見込みは6000万円。原田社長は「地産地消ではなく、地産外消を目指したい」と地元の農産物を使い、販売は首都圏など大市場を中心に開拓する構えだ。


【2011年3月14日 日刊工業新聞社】