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首都圏リポート/茨城空港、きょう開港1年

 首都圏3番目の空港として開港した茨城空港(茨城県小美玉市)が11日、開港1周年を迎える。同空港は滑走路を航空自衛隊百里基地と共用。開港直前まで運航路線も二転三転したが、それでも開港時の1路線から、現在は5路線を持つまでに成長した。一方で成田、羽田両空港の発着枠拡大や羽田の格安航空会社(LCC)誘致など新たな空港間競争の激化が予想され、県内経済への波及効果の引き出しも課題だ。(茨城・山谷逸平)

 地元の茨城県庁は今後も就航路線の需要確保と新規航空会社の獲得を目指していく方針。そうした中で、開港から2月末までの空港ビル来場者数は約86万6000人に達し、このうち、搭乗者数は約19万人(県推定)となった。茨城県企画部の斎田陽介空港対策監は「当初は年間30万人の来場者があればいい方だと思っていた」と明かす。来場者が想像以上に多かった理由は、就航路線の拡大と地域振興を含めた空港ビル内での物産展の開催などがある。

 同空港は韓国・アシアナ航空のソウル便のみでスタートしたが、この1年でスカイマークの神戸、名古屋、札幌便、LCCの中国・春秋航空の上海便を加えた5路線となった。スカイマークとアシアナ航空は平均搭乗率約7割、春秋航空は同約9割にもなる。高い搭乗率を反映し、春秋航空は今月末に上海便を週3便から5便に増やす。

 今後に向けて県は、国際線の路線拡大とともに、訪日中国・韓国人観光客の誘致促進を積極化する。県内宿泊の旅行商品を作り、実際に団体旅行客を誘致した旅行会社に、1人当たり1000円分を広告宣伝支援金として交付する事業を2011年度予算に盛り込んだ。

 また、北関東自動車道の全線開通により、栃木県や群馬県の観光資源と合わせた旅行会社の商品作りも促進していく方針だ。空港ビル内では就航先の魅力を伝えるため、中国などの物産展も検討している。

 半面、開港に伴う県内民間企業への経済波及効果はまだ少ない。県内に店舗を置くドン・キホーテや水戸京成百貨店(水戸市)などは、昨年秋までに免税手続きと銀聯(ぎんれん)カードの取り扱いを開始したが、水戸京成百貨店では銀聯カードを使った事例はわずか4件にすぎず、買い物誘致に知恵が求められる。

 近隣の空港では、成田、羽田両空港の発着枠拡大や羽田のLCC誘致など、「開港計画当初には考えていなかった」(空港関係者)ことが起きている。「富士山でいうとまだ1合目の入り口付近」(同)の茨城空港。他の地方空港と異なる元祖LCC対応空港として、11年度から始まる「県総合計画」の中で示した5年後の国際5路線、国内5路線を目標とする険しい山を登り始めた。


【2011年3月11日 日刊工業新聞社】