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四国リポート/徳島・香川に中国便就航−観光振興に独自色

 四国の2空港が3月に新たな局面を迎える。徳島阿波おどり空港(徳島県松茂町)と中国・長沙市(湖南省)を結ぶ定期チャーター便が就航。高松空港(高松市)は上海との間で、格安航空会社(LCC)の春秋航空が定期チャーター便の運航を始める。四国内では松山空港(松山市)がすでに上海便を運航し、2空港の中国便はそれに続く形となる。就航にあたり、徳島と香川の両県の観光振興策には違いがかいま見える。(高松支局長・林武志)

 徳島―長沙便は22日から就航し、10日に1本程度の割合で運航する。県は年間1万人の利用者を見込む。ツアーも中国人に人気の京阪神などと組み合わせる。徳島県も参画する「関西広域連合」を形成する他の府県との連携が追い風になる。その中で「鳴門の渦潮や祖谷のかずら橋なども観光ルートに」(槙納正明商工労働部観光戦略局観光企画課長)と県内の名所もアピールする考えだ。

 一方の香川県。27日に就航する高松と上海を結ぶ定期チャーター便は週4本。2月19、20日の週末、栗林公園など香川県内の観光地を視察した王正華春秋航空会長は「浜田恵造知事らの熱意」と10回以上にわたって上海を訪れた香川県関係者の誘致努力を評価した。

 浜田知事は「香川県に少なくとも1泊することをお願いしている」と強調する。人気観光地とのセット旅行は致し方ないとしても、中国人観光客が香川を“素通り”とならないように現地の旅行会社にも働きかけを強める。春秋側が「まだ少ない」と指摘する中国の銀聯(ぎんれん)カードの導入店舗増加も求められる。

 中国南方航空が就航する徳島県。槙納課長は「就航地が違うので、四国全体の活性化で考えると両県にとってもいい」と指摘する。徳島県側も徳島阿波おどり空港に近い香川県東かがわ市やさぬき市などの乗客は、目的地によって取り込める利点もある。

 中国に工場を持つ中小企業経営者の反応もおおむね良好だ。現地法人を持ち、月の約半分は上海で過ごす英エンジニアリング(香川県綾川町)の山本俊英社長は「すぐにでも岡山空港から高松便に切り替えたい。片道2時間は短縮できる」と待ち遠しい様子。香港に近い広東省深セン市への出張が年に数回あるというハイテック(香川県三豊市)の筒井秀樹社長も「一度、関西国際空港へ出てから香港への直行便を利用していたが、上海からの乗り換え利用でもいい」と話す。高松空港も近い徳島県吉野川市に本社がある日本フネンの久米徳男社長は「選択肢が増える」と歓迎する。

 関西方面との連動ツアーを軸に構想する徳島県と、“ステイ色”を据えたい香川県。自治体の思惑はそれぞれだが、四国の売り物である観光の底上げにつながる2空港の国際線就航は、四国活性化への格好の良薬になりそうだ。


【2011年3月2日 日刊工業新聞社】