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農商工連携の今(67)ハート形の赤い実が人気−「育てる喜び」届けます

 花言葉の「小さな幸せ」を届けます―。ブランディング(愛知県半田市、信岡徹也社長、0569-24-8411)は、ハート形の赤い実がなる木「ハートツリー」を販売している。見た目のかわいらしさや手軽に贈れる点が顧客に好評で、口コミで人気が拡大中。信岡社長は「商品の良さを分かりやすく伝えて、さらに拡販したい」と意欲を燃やしている。

 ハートツリーは「はりつるまさき」の一種の常葉低木。5年程度で約50センチメートルの高さまで育ち、1年のうち8月―翌年1月頃まで約7ミリの実をつける。もともと同木の実は丸く、時折ハート形の実をつける木だった。

 だが生産元の沢田農園(愛知県常滑市)が、ハート形に実がなった木を挿し木するなど品種改良を重ねた。10年以上の歳月をかけた末に2007年に商品化した。

 沢田農園は商品に自信は持っていたが、販売は順風満帆とはいかなかった。ハートツリーは実をつける時期には花屋などが購入する。だが実がつかない時期は評価されず、価格が下がりただ同然で取引されていたという。

 こうした事態に苦慮した沢田農園は09年夏にブランディングに相談を持ちかけた。ブランディングはパンフレットやホームページのデザインなどを通して商品のブランド力を高める仕事を行っている。そこで沢田農園はブランディングにハートツリーのブランド力向上のため、協力を求めた。

 ブランディングが考案したのは、顧客の手元に届く時にはあえて花をつけない状態の木を送るという販売手法。「買った人に育てる喜びを得てもらう」(信岡社長)ため。商品の専用ホームページや商品に添付するパンフレットには商品が育った時の写真や、分かりやすい育成方法なども掲載した。

 ハート形の実という見た目の特徴を生かしてバレンタインデーや母の日、クリスマスなどのイベントを中心に注文を受け、ブランディングが10年1月に発売して以来、専用のホームページや花屋を通して一年で5000個を販売した。さらに実をつけない時期でも価格を下げずに販売することに成功した。

 バレンタインの時期には実はついていないが、「一緒に育てて」とのメッセージが込められるため好評という。今年のバレンタインデーはオリジナルのチョコレートも付けて季節感を演出した。今後もイベントに合わせてパッケージを変更するなど商品価値を高める工夫を施すほか、ブライダルや通信販売業者向けに販路を拡大し、13年に年間3万個の販売を目指す。


【2011年2月28日 日刊工業新聞社】