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農商工連携の今(66)カグラナンバン、湯沢名物に

 新潟県湯沢町は、新幹線で首都圏と直結した観光地で、冬場には多くのスキー客でにぎわう。旅行・観光といえばその土地ならではの名物を味わうのも楽しみの一つだが、湯沢ではコメや日本酒を除いて、これといった名物料理がなかった。そこで飲食店などの地元有志らは、地元産品を使った新たな名物を作り、町を活性化しようと動きだした。

 それが地元の伝統野菜、カグラナンバンを用いた商品の開発だ。カグラナンバンは、新潟県中越地域の山間地で昔から栽培されており、一般的なトウガラシに比べ大きく、実も厚くピーマンに似た形状をしている。湯沢では農家などで自家消費用として栽培されていた。一部飲食店でも用いられ、地元のソバ店では、刻んだカグラナンバンとみそを練り込んだ、カグラナンバンみそを料理に使ったり、客への土産にしており、客から好評を得ていた。

 湯沢の食の名物となるものを探していた地元の飲食店、旅館の店主たちは、このカグラナンバンみそなら湯沢名物として売り出せると判断し、カグラナンバンみそを加工製造する会社、からいすけ本舗(新潟県湯沢町、田村恵司代表社員、025‐775‐7601)を設立した。湯沢ではカグラナンバンを大規模に生産しているところはなかったため、農業法人と連携し、生産してもらうことになった。

 「名物とするからには、本当においしいものでないといけない」(田村代表)との思いから、保存料などは無添加で、みそも自家製と、とことんこだわって作った。商品は赤タイプと緑タイプの2種類を用意。赤は完熟したカグラナンバンを使用したもので、じわりと来る辛さが特徴。緑は完熟前のものを用い、まろやかな辛味が特徴だ。商品名である「からいすけ」は、地元の方言で「辛いからね」などという意味だ。

 地元飲食店で調味料としての使用と、観光客の土産用の二つを軸に展開している。2009年度の商品完成以来、じわりじわりと浸透し、扱う店も増え、現在、湯沢の飲食店、旅館の合計十数店舗で、からいすけを使った鍋やソバ、ピザなどの料理が提供されている。

 からいすけ本舗では、カグラナンバンの食文化をさらに湯沢で広げようと、新たにジャムやドレッシングづくりにも取り組んでいる。「湯沢に来た方々にぜひ食べてもらい、ファンを増やしていきたい」と、同社では地域の新名物確立に向け意気込んでいる。


【2011年2月21日 日刊工業新聞社】