HOME > 事業を広げる > 地域資源活用チャンネル

地域資源活用チャンネル

ニュース

農商工連携の今(65)LED使い“ミニ植物工場”−家庭で手軽にオリジナル野菜

 葉っぱや(千葉県市原市、野本一弘社長、0436-36-8888)が開発した水耕栽培キットは、野菜卸売業を営む同社の人気商品「ブーケレタス」などの野菜を家庭で手軽に育てられる“ミニ植物工場”。光源には植物の生育に最適な赤色発光ダイオード(LED)素子を採用。小型で設置場所を選ばない。毎日新鮮な野菜を食べられる上、野菜の緑とLEDのやさしい光が生活に潤いを与える―。市原市で代々農業を営んできた野本社長が20年以上も温め続けてきたアイデアを形にした自信作だ。

 ブーケレタスは葉っぱやのオリジナル野菜。非結球レタスを基に品種改良を重ね、花嫁が結婚式で手にするブーケに葉の形状が似ていることから名付けた。2006年に発売し、現在は野本社長の農園をはじめ「葉っぱや協同組合」に加盟する全国26カ所の農家が栽培している。水耕栽培キットで育てるブーケレタスの苗も同協組が生産している。

 キットの大きさは幅45センチ×高さ45センチ×奥行き15センチメートル。苗をセットし、プラグを電源コンセントに差し込むと水や養液が循環し、「ほとんど放っておくだけで野菜が育つ」(野本社長)。一度に3種類の苗を栽培できる。ブーケレタスの場合、育ってから約1カ月間、毎日収穫を楽しめるという。

 試作段階の光源は蛍光灯だったが、電気代がかかる上にキットが大きくなってしまう。次に市販のLEDをすべて試したものの、植物の生育には向いていなかった。悩んだ野本社長は地元に工場を構える昭和電工に協力を依頼。両社でテストを繰り返し、開発開始から1年余りたった10年3月、キットの発売にこぎつけた。

 販売は、リース(会員制)と買い取りの2本立て。会員制はキットを月3000円で貸し出す仕組みで、月に一度定期的に苗を届け、1年間利用した後はキットを無料で提供する。苗と同時に契約農場から取り寄せた野菜や果物を“おまけ”として付けている。沖縄産の「あまSUN」など珍しい果物を付けることもあり、会員に喜ばれているという。現在は約100人の会員がいる。買い取りの場合、数回分の養液や苗を含めて価格は2万9800円。これまで約300台を販売した。

 当面の目標は、会員を1000人まで増やすこと。販売実績からは「まだ商品とは呼べない」と苦笑する野本社長だが「伸びしろは、すごく大きい」と将来に期待する。


【2011年2月7日 日刊工業新聞社】