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農商工連携の今(64)抗酸化作用のブドウ皮飲料

 大粒で糖度が高く香りもよいブドウ「ピオーネ」。「晴れの国おかやま」は、日本一のピオーネの産地である。ピオーネはポリフェノール類や植物繊維、ミネラルなどを多く含むことも知られ、機能面からも注目されている。

 2008年11月、ピオーネの皮からエタノール抽出したエキスを原料とする機能性飲料「美オーネ(ビオーネ)」が発売された。ピオーネの皮に多く含まれるポリフェノール類であるアントシアニンやレスベラトロールには、活性酸素を抑え、体の老化を防ぐ抗酸化作用がある。

 さらに、材料に保水効果を高めるコラーゲンなど有効成分を加え、美容や健康に良い“飲む化粧品”として1本750円(50ミリリットル入り)で販売。すでに2年間で約5万本売り上げている。

 開発したのは、研究総括の岡山理科大学理学部臨床生命科学科の濱田博喜教授、益岡典芳教授をはじめとする企業・団体9者の産学官連携グループだ。ブドウ皮飲料の研究は03年から始まり、05年にリキュール「ぴおうね酎」が宮下酒造(岡山市中区)から発売され、飲料の製法は確立できた。しかし、これに続く「美オーネ」では、原料のピオーネ皮確保がネックになった。50ミリリットル入り美オーネ1本には3粒分のピオーネの皮が使用されるので、年間3―5トンのピオーネ皮が必要となる。岡山県和気町のフルーツ缶詰製造会社からピオーネ皮を仕入れる契約を結び、解決できた。

 毎日飲んでもらえるよう味にも配慮した。ピオーネ皮には若干の苦みがあり、添加するブドウ糖液糖やビタミン類、香料の配合量を工夫し、飲みやすくしたという。

 販路はインターネットや、薬局、ホテル・道の駅などが中心。営業を担当するアルファ・ファイブ(岡山市北区)の石田朋寛部長は、「首都圏を中心に美容整形外科やエステサロンでの販売も展開中」としており、販路を拡大して年間10万本の販売を目指す。

 同グループは10年10月に、さらに研究を進めてアンチエイジング効果が高いとされるレスベラトロールに着目。ピオーネを活用した食品や化粧品、サプリメントなど機能性製品を開発する事業を立ち上げた。抽出効率が低いレスベラトロールの高圧装置による高濃度抽出法や、酵素活用により生体吸収性を高める方法などの確立に挑む。12年の商品化が目標だ。


【2011年1月31日 日刊工業新聞社】