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クローズアップ/商工会議所、婚活に熱−少子化に危機感、地域活性化へ

 商工会議所の“婚活事業”が活発化している。未婚率の上昇、少子化に危機感を抱く日本商工会議所が、各地の商工会議所の実施している婚活事業を2009年度から調査する一方、その推進を求めているからだ。婚活事業で草分け的存在の岡山商工会議所は新たにウェブ対応に乗り出している。09年度から始めた長野商工会議所では早くもカップルが続々誕生、成婚者も出た。神奈川県の大和商工会議所などは今年度から初の取り組みを始める。(石掛善久)

【長野商工会議所/サポートセンター設置】

 09年12月以降、4回のカップリングパーティーの開催で、延べ52組のカップルを成立させ、うち1組の結婚報告が入るなど成功を収めているのが、長野商工会議所の婚活事業。

 少子化が懸念される中、会員事業所の従業員やその家族などを対象に、結婚のきっかけづくりを支援し、地域活性化につなげようと、マリッジサポートセンター(こんぴあNAGANO)を設置した。システムは登録制で、登録事業所が年会費を払い、未婚従業員らに情報提供、未婚者らはマリッジサポートセンターに入会しサービス提供を受ける。現在、登録事業所数は62。09年6月から事業を実施している。

 こんぴあNAGANOカップリングパーティーを開いているほか、パートナー紹介支援事業ではコーディネーターが72人の個人登録者に対し、定期的な面談を通じて見合いのセッティングやアドバイスを行っており、1組の結婚が成立した。

 また、合コンマッチング事業も実施。登録事業所の未婚者を対象に、通称「お相手みつけ隊」と称する男女ごとのチームを編成してもらい、それぞれの幹事役にコーディネーターが連絡を取り、合コンを行う段取りで、すでに32回も開催している。

 このほか、結婚に関する事業所のデータを収集し、ガイドブックの作成に乗り出したり、市町村や社会福祉協議会、JA、労働団体などともネットワークを構築、広域で出会いの場をつくる「結婚マッチングシステム」も構築している。

【岡山商工会議所/専用ホームページ開設】

 商工会議所の婚活事業の中でも先駆け的存在であるのが岡山商工会議所。多くの商工会議所の手本となってきたが、10年10月に青年部が専用ホームページ「出会って、学べて、恋して、得する!! Hey!Say!Cafe!Club(ヘイセイカフェクラブ)」を開設し、新たな取り組みに乗り出した。

 婚活に1000人が集まる「Hey!Say!Cafe」の取り組みは05年度から。少子化や結婚適齢期の未婚率上昇に対し、地域活性化の観点からも危機感を抱き、まずは異性と積極的に会話ができるような気持ちを持ってもらおうと青年部が会員を主対象としてスタートした。

 初回は男女850人が参加。07年度からは倉敷、総社、玉島、児島の5商工会議所青年部も加わり、男女350人、計700人規模で開催。09年度からは青年部OBが実行委員会を組織し、事業を継続している。

 当初は「商工会議所青年部がカップリングパーティーを開くとは何事だ」とする執行部・理事からの指摘もあり、計画変更も余儀なくされたが、現在は理解も進んでいる。無理やりカップリングを進めていないこともあり、参加者の評判はよく、毎回キャンセル待ちが発生している状態。だが、参加者の中からは「参加者が多すぎる」との声もあり、会場に応じた適正規模の開催を目指している。昨年12月20日の開催では男女100人ずつ計200人の参加枠とした。今回も1ドリンク軽食付き5000円の参加費だが、キャンセル待ちが発生した。

 同青年部では商工会議所関係の枠にこだわらず登録したHey!Say!Cafe!Club会員に対し、Hey!Say!Cafeの事業紹介のほか、今後、結婚や子育てなどの情報提供を行っていく予定。

【今年度76会議所が実施】

 日商の調査によると、商工会議所が実施する「婚活事業」は少子化対策、地域活性化などの観点から取り組まれている。商工会議所ならではの工夫もあり、参加者の評価も高い。

 日商の婚活事業実施状況調査は今回が2回目。婚活事業を実施している商工会議所は2007年度には19商工会議所にすぎなかったが、08年度には40商工会議所、09年度には51商工会議所へと増加、今年度は76商工会議所にもなる。

 事業の開催回数も07年度は27回、08年度は53回、09年度は76回となり、2010年度は105回と開催回数の伸びも著しい。それだけ結婚が難しくなり、少子化が進んでいることを反映しているといえるだろう。

 参加者数で見ると、09年度は男性2621人、女性2538人で、一回当たりの参加者は男性が平均34人、女性が同33人。07年度、08年度と年々増加しており、08年度と2010年度を比較すると参加者は男女ともに約2.3倍になっている。

 参加者からの評価は「参加者が多すぎた」「男女バランスがとれていない」などの不評はわずか4%。「好評だった」と自己評価する商工会議所が90%を占めた。商工会議所自体としても「PRになった」「地域活性化につながった」「少子化対策に役立った」との声が多く出ている。

 実施上の課題は、年齢や男女のバランスを取る方法や参加者ニーズに合致した企画作りなどが挙げられた。一方で、事業実施後のフォローアップ調査を実施している商工会議所は15カ所、29%にすぎない現状があり、課題解決のためにはフォローアップ調査で参加者ニーズを改めて把握することが必要になっている。


【2011年1月17日 日刊工業新聞社】