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農商工連携の今(62)べにふうき茶をタブレットに

 初めは固いタブレット、かんでいるうちにガムのようにやわらかくなる不思議な食感。やまと興業(浜松市浜北区、小杉昌弘社長、053-586-3111)は、花粉症などの症状緩和に効果があるとされるべにふうき緑茶を使ったガム食感の健康食品「かみかみべにふうき」の商品化に乗り出した。べにふうきの飲料製品はすでにいくつか発売されているが、タブレットは初めて。かむことで歯周病対策などへの効果も出ると期待されている。

 同社が本社を置く静岡県は日本一のお茶の産地。同社は2輪車や4輪車部品の製造が主力だが、2005年に経営多角化の一環として超硬工具の微粒子化技術を応用した粉末緑茶を製品化した。さらに06年には抗アレルギー作用が注目され始めたべにふうき緑茶の粉末茶を追加。08年度に農商工連携の認定を受け、携帯しやすく水がなくても摂取できるタブレットの商品化を目指すことになった。

 原料となるべにふうき茶葉を供給するのはネクト(静岡県葵区)。200度C以上の加湿熱風を茶葉に当て、密閉された釜内で一気に蒸す独自の製茶技術により、「苦みや渋みのない茶葉が安定して手に入る」(横島徳やまと興業ナノプロ課長)。これをやまと興業が0.2マイクロ―0.5マイクロメートルの微粒子粉末にし、明治薬品がタブレット状に加工する。静岡県立大学と東京医科歯科大学も分析や評価に協力している。

 「健康食品といえども、まずくて食べてもらえなければ意味がない」(同)。タブレット化する上でこだわったのが“味と食感”。味に爽快感を与えるメントールは、多すぎると固まりにくくなるため、味とのバランス調整に腐心した。またタブレット特有の粉っぽさをなくすため、現在も改良を加えている。

 タブレットは10年1月からテスト販売を開始。べにふうきの粉末茶とセットで地元百貨店やインターネット通販を通じて販売している。「今年は花粉が多いと聞く。べにふうきの抗アレルギー性をアピールする好機」(同)と鼻息は荒い。

 タブレットは最初は固いが、次第に唾液と混ざりガムのように弾力ある食感となる。かんでいるうちに成分が溶け出るため、花粉症以外に口腔(こうこう)衛生や吐息ケア効果も期待される。現在、東京医科歯科大が歯周病やドライマウスへの効果を検証中だが、「中間報告では良い結果が得られた」(同)と自信を深める。今後、量産と販売体制を整え、12年度に売上高1億円を目指す。


【2011年1月17日 日刊工業新聞社】