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山形の名産品“融合”−日本文化テーマに製品開発

 【山形】山形県内の異なる産地間がタッグを組んで生み出した袴地仕立ての室内履き「KINU HAKI」が注目を集めている。日本の生活文化を意識した「たたむ・仕舞う・携える」を開発テーマに、山形県の地域資源である「河北町・谷地スリッパ」(全国シェア約30%)と「米沢織 袴生地」(同約90%)を融合させている。

 KINU HAKIは、スリッパ製造の阿部産業(河北町、阿部弘俊社長、0237‐73‐2141)が県工業技術センター、神尾織物(米沢市)などと組んで開発した。同センターが調整役となり、スリッパ製造技術と米沢織の融合による新たなモノづくりにつながった。海外との価格競争が激化する中、谷地スリッパ産業も厳しい状況にあり、「新たな連携により、世界に通用する提案型の独自商品を目指すことが必要と考えた」(阿部社長)と新商品開発の経緯を説明する。

 KINU HAKIの顧客ターゲットは、より豊かな生活を求める層。上質の絹を緻密(ちみつ)に織り上げた袴地の風合いを生かした独自の商品に仕上げており、旅などに携える室内履きとして提案している。価格は中敷きも袴地を用いた商品で一足1万8900円から。袴地の携帯用ケースも別売りで用意している。取扱店は松屋銀座店のほか都内のセレクトショップ、また仙台の百貨店、藤崎でも取り扱っている。

 注目されるKINU HAKIだが「さらに進化させる」と阿部社長は意気込む。当初からプロジェクトに携わる県工業技術センター置賜試験場特産技術部の羽生田光雄開発研究専門員は「身の丈にあった取り組みが肝心」としている。

 今後は海外の展示会出展なども視野に入れており、袴地の小物などの開発を段階的に進める構えだ。


【2011年1月10日 日刊工業新聞社】