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検証2010/羽田空港国際化再び−地元活性化、熱い期待

 10月31日、羽田空港(東京都大田区)が再び国際化された。国際定期便が就航し、新国際線旅客ターミナルビルの供用も始まった。年30・3万回(2007年)だった従来の発着容量は、供用開始時に37・1万回に増加。最終的には44・7万回まで増える予定。これを機に、地元の大田区は「地域力ある国際都市」をキーワードに、地場商工業の振興に一段と力を入れている。

 国際化に伴う再拡張事業で沖合への展開が進むと、空港に隣接して広大な跡地が発生。跡地の帰属は空港に関係する国と周辺自治体の間で議論の的になっていた。国土交通省、東京都、大田区、品川区は「羽田空港移転問題協議会」を設置。10月に跡地利用の方針をまとめた「羽田空港跡地まちづくり推進計画」を発表した。

 計画では、跡地のうち市街地に近い11ヘクタールを大田区が取得する。地元には、終戦直後に米軍により東京飛行場(現羽田空港)とその周辺を接収された苦い記憶が残っている。「国際化と同時に空港の土地が大田区に戻ってくることには象徴的な意味がある」と協議会を担当する野田隆副区長は語る。

 11ヘクタールの土地には産業交流施設を建設する予定。モノづくりの集積地、大田区の技術や製品を展示するコンベンションセンターを設けたり、大規模な商談が行える設備を整えるなど、空港から町工場の技術を全世界にアピールする計画だ。

 空港利用の外国人観光客が増えれば、大田区の商業の活性化につながると期待されている。そこで、今年の初めから続いているのが「京急蒲田駅通過問題」だ。5月、京浜急行電鉄は京急蒲田駅を通過する新ダイヤを発表。空港から品川駅までノンストップで運行することで時間短縮を図ったものだ。地元はこれに激しく反発。5月15日の「京急蒲田駅通過反対区民大会」には約600人の区民が集まり、「通過反対」のシュプレヒコールを上げた。7月、大田区と京急は、都などと「街づくりなどの諸課題に関する協議会」を設置。京急蒲田駅通過の是非を巡り、現在も協議が続く。羽田の国際化を地元の発展に生かす取り組みは始まったばかりだ。


【2010年12月24日 日刊工業新聞社】