HOME > 事業を広げる > 地域資源活用チャンネル

地域資源活用チャンネル

ニュース

検証2010/東北新幹線全線開通−人・モノ・情報の交流加速

 12月4日にJR東北新幹線が全線開業した。東京―新青森間の所要時間は従来より約40分短縮の最短3時間20分。2011年3月に投入される新型車両「はやぶさ」は3時間5分で結ぶ。東北経済連合会は「東北すべての県庁所在地が新幹線網で結ばれた。人、モノ、情報の活発な交流がさらに促進され、東北のビジネスチャンスや産業集積の拡大、広域観光に弾みがつく」(高橋宏明会長)と歓迎する。

 地元青森県でも観光振興に向け、全市町村がイベント、食、名所など、地域の魅力を再発見しながら1500項目に及ぶ観光客用のコンテンツ集を作成。「これも新幹線効果」と三村申吾知事は評価する。隣県の商工団体も青森からの誘客を狙い、東北観光推進機構はすでに福岡、名古屋で旅行会社向けセミナーを開き、誘客に備えた。

 県人口減少への歯止め、若者が地元に定着できる雇用の創出が青森県の長年の課題。それにはモノづくり産業の集積と競争力向上が鍵となる。県内では原子力をはじめ風力発電などの新エネルギー関連施設の新増設が活発化。寒冷地を逆手に取った省エネルギー技術の開発も進むなど、青森県は日本の環境・エネルギー産業をリードする。賃金の安さだけではなく、地域産業のポテンシャルと新幹線効果を生かした企業誘致活動も強化している。

 02年から8年間、東北新幹線の終着駅だった八戸駅は停車駅の一つになった。しかしこの間、地元産業界には仙台や関東に拠点を拡大した物流会社や食品会社もある。改善による製造業の意識改革も進めた。八戸市も東京都の有力異業種交流団体「TAMA協会」に職員を派遣し、外の刺激を受けながら地域の新事業創造に挑んでいる。

 八戸から新青森への延伸で、県内でも地理的に隔たりのあった青森、八戸、弘前など各地域が時間的に接近。農商工や医工などの連携、さらに東北内外での広域連携を通じたオール青森としての産業力の底上げとともに、北東北の産業活性化が一層期待される。15年にも北海道新幹線が北海道函館市から乗り入れる。青森の産業集積、連携拠点としての機能はさらに重みを増す。


【2010年12月16日 日刊工業新聞社】