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農商工連携の今(60)「七福芋」をブランド化−栽培農家の後継者育成

 愛媛県新居浜市から船で15分ほどの沖合にある大島は人口300人弱の小さな島。漁業や農業で生計を立て、地域資源に認定されたサツマイモの一種「白いも」を栽培する。表皮は白く濃厚な甘みがあるなど七つの福があり、「七福芋」とも呼ばれている。土質が異なるためか島以外で栽培すると食味がやや劣り同じ甘みが出ないという。しかし七福芋畑は後継者難で年々減り、今では栽培農家は30人ほど。年間30トンしか採れない貴重品だ。

 この「七福芋」をにいはま大島七福芋ブランド推進協議会(事務局=新居浜市物産協会内)は新居浜市のブランドとして全国に発信するため加工食品を募集。地元の製菓会社などが商品化した中から審査を通過した焼酎や菓子など計12品を認定した。

 プロップ(新居浜市、白石真奈美社長、0897-34-9515)は、第1回七福芋ブランドに認定された七福芋焼酎「あんぶん」を手がける。本来、食用にする七福芋を醸造、通常の芋焼酎に比べまろやかなのが特徴だ。ブランド品の中で一番ヒットし年間5000本を売り上げる。また同社は七福芋のペーストやパウダーを菓子会社などに販売する。

 明治元年創業の別子飴本舗(同、越智秀司社長、0897-45-1080)は、このパウダーを利用し、蒸しようかんを商品化し、7月には七福芋と生キャラメルを使った「白いもキャラメル」を発売した。10月に新居浜青年会議所が初めて開いた「B級グルメショッ喰インくらう島」では同商品をプロデュースした新居浜商業高校の生徒が売り完売した。まず地元で七福芋ブランドの認知度を高めながら展示会などを通じ、県外に販売を広げたい考えだ。

 大島では七福芋栽培農家の平均年齢が70歳を超え、安定供給が課題となっている。「収穫量は現状維持で精いっぱい」(岡野泰典プロップ店長)だ。

 大島を活性化するため設立したNPO法人「グッドウィル」が04年に「大島白いも特区」の認定を受けて農地を借り、島内3地区で七福芋農園を経営する。新居浜市民らが一口1万5000円でオーナー会員になり維持する。会費は苗代や栽培代などに充て、収穫後に七福芋5キログラムと焼酎(500ミリリットル)5本がもらえる。自分で芋掘りを楽しむオーナーも多い。

 11月中旬には新居浜市内小学生19人とその家族が七福芋掘りを体験した。プロップの若い社員も栽培を手伝い、若い世代に大島の七福芋を知ってもらいながら、地道に認知を高め島の活性化や栽培農家の後継者育成、ブランド化に取り組む。


【2010年12月6日 日刊工業新聞社】