HOME > 事業を広げる > 地域資源活用チャンネル

地域資源活用チャンネル

ニュース

産業がわかる/茨城の納豆産業−差別化で生き残り図る

 「PR下手」と言われる茨城県―。それでも「納豆と言えば水戸」というブランドイメージは確立されている。近年は消費者の低価格志向などを背景に、中小の製造会社の経営にひっ迫感が漂う中、地場産や色豆を使って生き残りをかける製造会社が出始めている。

 産地となったのは、源義家が奥州平定のため北上中、家来が馬の飼料用煮豆の残りをわらに包み、義家に献上したことがきっかけとされる。小粒で柔らかく粘りのある水戸の納豆は戦後、東京にも出回り、全国に広まった。だが、納豆の消費額は減少傾向にある。総務省の家計調査によると一世帯当たりの年間平均納豆消費金額(県庁所在地別)は、2009年の水戸市で4564円と前年比28.4%減だった。

 そこで中小の製造会社は“こだわり”で巻き返しを狙う。地元の小粒大豆による納豆商品を開発する丸真食品(常陸大宮市)は今年10月、新種の黒大豆小粒を使った納豆開発で関東経済産業局・関東農政局から「農商工など連携事業計画」に認定された。黒豆は皮が硬く納豆菌が入り込みにくいため、ぼそぼそした納豆しかできなかった。

 この新種を県農業総合センターから譲り受け、JAが栽培、11年春ごろに発売する見込みだ。三次美知子社長は「主流の黄大豆でなく、黒色でかつ地元で主流の小粒を生かした新商品になる」と意気込む。

 県工業技術センターの久保雄司地場食品部門技師は、表皮の硬い有色素大豆自体ではなく、納豆菌の研究に取り組む。既に納豆加工の適性が高い菌60株を見つけた。「他社との差別化に役立ててほしい」(久保技師)と話す。

 「チョコ納豆」など変わり種を手がけるだるま食品(水戸市)も「特殊な納豆を出さないと生き残れない」(高野正巳社長)と真剣だ。同社は10年前から茨城産大豆に切り替え、原料の9割が地場産になった。県納豆商工業協同組合の専務理事でもある高野氏は「納豆とコメの消費量は連動しており、米食も盛り上げたい」と連携に意欲的だ。

【POINT】
1製品販価の下落・消費低迷で苦戦
2地場産・色豆でブランド強化
3コメ産業との連携に活路


【2010年11月16日 日刊工業新聞社】