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農商工連携の今(57)大分県産の下ゆで野菜

 クローバー食品(大分県豊後高田市、鴛(おし)海良一社長、0978-24-0363)は、大分県産野菜を使った筑前煮や豚汁用の下ゆで加工商品を開発し、全国の食品スーパーマーケットなどで販売する。鴛海社長は「最近は関東圏など都市部を中心に、料理にすぐ使える下ゆで野菜の需要が増えている」と話す。新たなビジネスチャンスの広がりに「農家の安定収入につなげたい」と意欲を燃やしている。

 クローバー食品は1974年創業。タケノコなどの水煮加工商品を全国販売してきた。消費者の食の安全安心志向が高まる中、05年に農事組合法人JAPANクローバー(豊後高田市)を設立。本格的な農業参入を目指して、国産農産物の安定供給に乗り出した。

 約8ヘクタールの自社農園ではタケノコやサトイモを試験栽培するほか、豊後高田市周辺農家と契約してダイコンやジャガイモなど10種類の野菜を生産する。鮮度を生かすため収穫した野菜は自社工場で皮むき、下ゆで加工を行って真空包装する。08年から下ゆで加工商品としてテスト販売を始めた。

 現在、同商品は年間約5億円を売り上げるヒット商品に成長している。鴛海社長は「野菜を調理する際の面倒な皮むき作業を省き、生ごみ量を減らすこともできる。調理時間を短縮したい共働きや1人暮らしの消費者を中心に販売が伸びている」と分析している。また用途や調理時間を商品パッケージに記載。「分かりやすい一工夫が消費者の支持を得ている」と胸を張る。

 同社は食品の加工から販売まで一貫した生産体制を整え、全国の主要小売店で商品を販売している。需要に応じて原料となる県内野菜の取扱量が増加することを見込み、10年3月には大分県農業協同組合(大分市)と連携した。

 鴛海社長は「農薬や化学肥料の使用量を極力少なくした安全安心の農産物生産は当然のこと。市場に出荷できない規格外農産物などを加工することで農家の収入増につなげる」と話す。また「取扱量に応じて契約農家の年収を2年後には約2倍に引き上げる」と力を込める。同社の10年8月期売上高は約23億円。新たに野菜に下味を付けた商品開発を進めている。また水煮商品を順次、下ゆで商品に切り替える計画も進めている。「15年8月期には下ゆで商品で約50億円、売上高約100億円を目指したい」(鴛海社長)と、大きな夢を描いている。


【2010年11月8日 日刊工業新聞社】