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神奈川・小田原でローカルサミット−11分野で新しい"ものさし"議論

 地域の活性化に取り組んでいる有志が集まり、課題を話し合う「第3回ローカルサミットin小田原」が神奈川県小田原市で開かれた。モノづくりや農林水産など、11のテーマ別に地域が抱える課題の解決策を議論。既存の価値観や考え方にとらわれない新しい"ものさし"を示すとともに、小田原市で実践可能な行動プランをまとめるなど成果をあげた。300人を超す参加者数が示すように問題意識を持っている人は少なくなく、このうねりを一層広げることが地域活性化につながりそうだ。

 ローカルサミットは、市民の目線で新しい地域づくりを考える有志による地域づくりの運動だ。洞爺湖サミットが開かれた2008年に北海道・十勝で産声を上げた。個人のつながりを生かして、09年に松山市と愛媛県宇和島市で開催、今年は小田原市が舞台となった。

 今回のキーワードは"ものさし"。医療、教育、食など、さまざまな分野で既存の価値観ややり方(ものさし)では立ちゆかない状況が起きている。新しいものさしを探すため「健康・医療・介護」「環境」などテーマ別に11グループに分かれ、議論を深めた。

 例えば「ものづくり」では伝統工芸品の低迷について、「明治初期までの工芸品は、当時最先端の技術を取り入れて作っていた。今は伝統的な感覚だけを重視しているのでは」との指摘があった。新しいものさしとして「ハイテクと手仕事の融合」を示した。

 「農林水産」では、従来のものさしが「便利、効率、安さ」だったと問題提起。新しいものさしには「今の社会はつながりを求めている」との認識から「つながり」「喜び」「世代」を掲げた。また「農商工連携に欠けているのは消費者」と、消費者を加えたアクションの必要性を提言した。

 ローカルサミット実行委員長の鈴木悌介鈴廣副社長は「知恵や行動力のある人たちが集まり真剣に議論していただいた。今後、小田原市民がどう活用して広げていくかがテーマ」と問題意識を持つ。加藤憲一小田原市長を会場に招くなど、行政との連携も視野に入れる。

 新しいものさしからは現代が抱える問題も見え隠れする。「教育」のグループは「知識理解から共感理解へ」を新しいものさしにあげた。ローカルサミット事務総長の吉澤保幸場所文化フォーラム代表幹事は「金融や環境、農林水産、教育といった分野に参加者が多かった。今を反映した問題意識を感じる」とみる。

 ローカルサミットの良さは「いろいろな人とつながっていることを言葉でなく実感した」(鈴木氏)という言葉に表される。次回開催地の富山・南砺に向け、このつながりを大きなうねりとして、社会の活動に結びつけていくことが重要になる。


【2010年10月29日 日刊工業新聞社】